アルバムとともに、東京ドームに向けて開幕する新たな第一章をみんなと一緒に迎えたい

――「Wake Up! TOKYO」で、タイトルに“TOKYO”を掲げた意図を教えてください。

Novel Core 2023年1月21日に豊洲PITで開催した「Novel Core ONEMAN LIVE -Untitled-」という公演があって。地球が滅亡して約100年が経ち、人類がほぼいなくなった首都・東京に、滅亡する前に東京で名を馳せていたバンドが帰還して、わずかな生き残りの人類に向けて、音楽の役割をテーマにしたコンサートを実行するという内容で、MCとかを一切作らず、超コンセプチュアルな公演をやらせてもらったんです。その時、ライブ用に作った曲で、それで「Wake Up! TOKYO」というタイトルなんです。当時はコロナ禍に対する憤り、パンデミックが起きて、世界中がフラットにそういう状況に陥った時に、真っ先に除外されたのがエンターテインメントだったというところに対して、言いたいことがめちゃくちゃあって。音楽は本来どういう立ち位置だったっけ?みたいなのを当時は歌詞にしていたんです。

――当時とは変化した部分もあるんですか。

Novel Core はい。今回のアルバムを作っている最中に、もしかしたら、「Wake Up! TOKYO」のサビだけ残して、アレンジも変えて、ちゃんとした形で今リリースしたら、テーマに合ってくるんじゃないかということで、歌詞を書き直して、この形にしました。

――過去に書いた曲を、新しく書き直して発表することは他にもあったんですか。

Novel Core 幾つかあります。「DiRTY NASTY」も2024年7月に、スタジオでバンドとリハーサル中にジャムセッションをしてできたメロディーとコードを、1年越しに「この曲いいよね」ということで曲にしました。歌詞にしても、過去に全く違う曲用に書いたものが、その曲が頓挫して止まっていたので、引っ張り出して新しい曲に差し込むこともあります。今ではないと思ったから、その当時はリリースという形では世に出していなくて、時間が経って、バンドとアルバムを作っている時に、「今、この曲を梱包すると意味があるな」と思えて、曲にしたんです。

――「2025.11.07 (demo)」の前半はピアノをバックに歌い上げ、後半でバンドが合流する力強い曲です。

Novel Core 比較的、アルバム制作の序盤にできた曲で、アルバムの後半にバラードを入れたいというのがあって。ピアノと僕のメロディーが乗って、いわゆるデモ状態になった時に、自分が作ってきた曲の中でも、「これは大事な、特別なものになるかもしれない」という数年に一回くらいのペースである予感を感じて。「ふわりふわりと仕上げてはいけない」というので、あえて歌詞を書かずに保留にして、アルバム制作のラストまでペンディングの状態で持っていた曲です。タイトルになっているのが、アルバム全体の最終レコーディング日として設定した日付で、「ここで録ろう」となったんですけど、歌詞が難航して。書けなかったというよりは、テーマとして「終わりの後で君に伝えたいこと」ってiPhoneにメモっていたんですが、いわゆる遺書みたいなテーマのものを書こうとしていて。そういうのって本当にそういう気持ちにならないと言葉が出てこないというか。作詞しちゃっている自分がすごく嫌で、今書くべきじゃないんだなと思ったので。バンドメンバーとか、スタッフさんたちに、「あえて歌詞を入れずに、スキャットの状態で、今の僕たちの完成形として、このままパッケージするのはどうですか?」という相談をさせてもらって、この形で収録しました。

――アルバムのラストを飾るのは「HAPPY 365」です。

Novel Core アルバムの最後をバラードで締め括るのもよかったんですけど、僕的に普遍的なグッドミュージック、グッドメロディーを探求するみたいなのが、ここ最近のミクスチャーを掲げて以降のテーマなので。ジャンルとかにとらわれず、混ざっていていいから、その分グッドであったほうがいいと考えた時に、やっぱ音楽が持っているポジティビティみたいな、よく分からないけど楽しいとかうれしいとか。そういうポジティブな感情を呼び覚ますものが、アルバムの最後を飾っていたほうがいいんじゃないかと。今回のアルバムを聴いていくと、唯一、僕の引き出しの中であんまり開けられていないのがクラシックや、ゴスペルを含むチャーチ・ミュージック。そのルーツがあまり出せていないから、「ゴスペルとロックを融合した曲を作りたいかも」ということで、管楽器のセクションに入ってもらって作っていたら、意図せずバースデーソングになりました。

――管楽器のセクションはどういうメンバーだったんですか。

Novel Core クマさんに紹介してもらった歴戦の猛者たちなんですが、SKY-HIのライブのバックを務めるTHE SUPER FLYERS SQUADのホーンセクションとして、「BMSG FES’25」のステージ上で間接的にご一緒した方々もいらして、僕的にテンションが上がりました。今回の楽曲に参加してくださった皆さんとは、アップテンポで激しめな曲でもご一緒したいですね。

――最後に4月15日から始まる「PERFECTLY DEFECTiVE TOUR 2026」についてもお聞かせください。

Novel Core 『PERFECTLY DEFECTiVE』の楽曲のほとんどが、このツアーで初披露になるので、アルバムとともに、東京ドームに向けて開幕する新たな第一章をみんなと一緒に迎えたいと思っています。「今からだと入りづらいかな」とか、「あんまり知らないしなあ」とか、そういうのを気にせず、飛び込んでもらえたら、絶対に楽しかったと思ってもらえる、「こいつについてきてよかった」と思ってもらえるツアーになると確信しているので、いろんな人たちに遊びに来てもらいたいなと思っています。純粋にライブハウスでのツアーになるので、フロアに関しても、ミクスチャーなフロアを安全に楽しく、分断を生まずに作っていくというところに対して、もう一度強く向き合っていきたいと思っています。

――6月26日のファイナルの会場は豊洲PITです。

Novel Core コロナ禍にワンマンをやった豊洲PITはキャパシティが半分でリベンジしたい会場なんですよね。CLUB CITTA’はリベンジ成功したので、次は豊洲PITかなと。そういうのをどんどんやっていって、もう一回武道館やりたいよなとか、もう一回アリーナにチャレンジしようとか、当然そういうフェーズが来るので、一旦、豊洲PITでリベンジしたいし。豊洲PITでは今までと違ったフロアの作り方というか、スタンディングとシーティングが共存できないかと相談もしていたりします。それが実現できるかどうかはまだ分からないですけど、そういうチャレンジもしていこうと思っているので、楽しみにしてくれたらうれしいです。

過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/

Novel Core

東京都出身、25歳。ラッパー、シンガーソングライター。SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI