舞台のお仕事は私の性格に合っている
――今回の座敷童子はどんなキャラクターにしていこうと考えていますか。
生駒 座敷童子は子どもっぽいビジュアルなんですけど、妖怪なので長く生きていて、作中では一人称が「わし」なんです。元は人間でもあるので、今回の妖怪ではお客さんが一番共感できると思います。座敷童子の起源には諸説あって、間引きされた子どもの魂が合体して生まれたという説もあるんです。私はその要素から引っ張って作りたくて。見た目は子どもだけど、人間だった遠い記憶をおぼろげに持ちながら、おじいちゃんおばあちゃんのように達観して、人間のために優しさをもたらす存在として演じていきたいんです。そういうギャップにお客さんが「あら」と思ってくれたら楽しいかなと思います。

――歌稽古はいかがですか。
生駒 日常的に歌う機会がないので、最初は丸腰で行ったんですよ(笑)。実際に行ったらミュージカルの歌稽古は音楽の授業みたいで、専門的な用語も飛び交って、思った以上に分からないなと。ただ、歌詞を書かれた森雪之丞さんの言葉はすーっと入ってきて、物語と役に合わせて書かれているんだなと実感しました。初めての歌稽古の日に、座敷童子のパートはその日のうちに覚えられたんです。曲に乗って、座敷童子になりきると覚えやすいですし、作り手の方たちは本当にすごいなと改めて思いました。
――脚本を最初に読んだ時の感想はいかがでしたか。
生駒 座敷童子が頑張っているなと(笑)。私はせっかく作品を見るのに現実を突きつけられるのが苦手で。ちっちゃい頃から好きだった「現実の中にありそうな空想の世界」という塩梅が好みなんです。この脚本はまさにそれで、自分の隣にいそうな妖怪たちの話で、見終わった後に「夢だったか。でも素敵だったな。救われたな」と思ってもらえる内容になっていると感じました。
――歴史や伝承を扱う作品に出る際に、心がけていることはありますか。
生駒 オタクにはこだわりポイントがそれぞれありますし、私自身がオタクなので、自分のこだわりから外れていると「うん?」となってしまう気持ちは分かります。ただ、歴史や伝承は誰のものでもないですし、決まった正解があるわけではないので、今回の『どろんぱ』で言えば、「妖怪たちはこういう生き方をしているんだ」「こういう世界線があるんだ」と楽しんでもらうのが一番だと思っています。

――ここ数年でたくさんの舞台をやられていますが、舞台の魅力はどんなところに感じますか。
生駒 たとえば映像のお仕事だと「時間がない」が言い訳になりやすいんですけど、舞台は自分が「できた」というところまで持っていかないといけない。稽古期間の中で、演出家の方が「これはお客さんに見せてOK」と納得する形まで持って行くのが、私の性格に合っているんです。稽古の中で課題を設けて、それをクリアした実感を持ちやすいのが舞台なんです。それに動くから、体力もつくし(笑)。映像の仕事をしていく上での対応力にもつながると思っています。
