西垣匠くんと二人でアイデアを出し合った『失恋カルタ』

――『失恋カルタ』(MBS/TBSほか)の出演が決まった時のお気持ちからお聞かせください。

伊藤絃(以下、伊藤) 素直にうれしかったです。メインキャストに選んでいただき、本格的なお芝居ができるという感覚と喜びが大きかったですね。

――初めて脚本を読んだ時の印象はいかがでしたか。

伊藤 3人の主人公それぞれの恋愛模様を描く構成なんですが、各パートに共感性の高い“あるある”が盛り込まれていて、脚本を読んだ段階ですごく面白いと感じました。恋愛において、いろんな悩みを抱えてきた人たちに共感してもらえる作品だと思いました。

――今回演じた百々陸というキャラクターは、どのように受け止めましたか。

伊藤 陸は同性愛者で、複雑な過去を持ち、お母さんを亡くして、亭主関白な父親に育てられてと、早く東京に出たくていろいろともがいてきた。そんな中で西垣(匠)くん演じる光と出会い、恋人同士になるんですが、陸は自分が同性愛者であることを隠したく、オープンな光とどんどんすれ違っていく。その二人の関係がどうなっていくかが描かれています。

――センシティブなテーマですが、事前に参考にした作品などはありましたか。

伊藤 西垣くんが過去に同性愛をテーマにしたドラマを経験されていたので、その作品を観て勉強しました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか。

伊藤 僕は西垣くんと二人のシーンが大半だったのですが、スタッフの皆さんがすごく明るくて、お芝居しやすい環境を整えてくれました。撮影前に役柄についての説明も丁寧にいただいて、現場では修正もありましたが、それに応えられるよう全力で臨みました。西垣くんと二人でこうしたい、こう動きたいというアイデアも出し合って、監督と相談しながら作っていきました。

――西垣さんはどんな方でしたか。

伊藤 初めてお会いした衣装合わせの時は物静かな方で、大丈夫かなと思ったのですが(笑)。現場に入ると第一印象と全く違って、よくしゃべる方なので安心しました。俳優の先輩なので、お芝居について、いろいろアドバイスしてもらいましたし、僕の相談にも乗っていただきましたし、プライベートの話もたくさんさせてもらいました。

――お芝居についてはどんなことを話し合ったんですか。

伊藤 終盤にシリアスなシーンがあって、しっかりと感情を作っていかなきゃいけない場面で悩んでいた時に、西垣くんが声をかけてくれたんです。実は違うクラスではあったんですが、同じお芝居のレッスンを受けていて。共通の先生から言われた言葉を言ってもらって。それを思い出したら気持ちが落ち着いて、安心してお芝居に臨むことができました。

――陸と光に関してドラマの注目ポイントを教えてください。

伊藤 お金がない陸が、仕事もあって立派な家に住む光のもとに住まわせてもらって、徐々にすれ違っていく状況は、どんな恋愛にもあり得ることです。そういう部分に共感しながら、感情移入して見てもらえる作品なので、二人がどうなっていくのかをぜひ見届けてほしいです。