池松壮亮さんと仲野太賀さんは芝居も人間性も素晴らしい

――憧れだったという大河ドラマの出演を、現在放送中の『豊臣兄弟!』(NHK)で実現させました。

伊藤 出演が決まった時は信じられなかったです。実は僕にとって初めてのオーディション合格が『豊臣兄弟!』だったんです。喜びはもちろんありましたけど、それ以上に不安のほうが大きかったです。芝居のレッスンを始めて半年くらいの時期だったので、その段階で選んでいただいたことに感謝でした。撮影までに1年くらいの準備期間があったので、豪華なキャストの皆さんについていけるように、レッスンでたくさん学んで、しっかりと土台を作ってから臨もうという気持ちでした。

――初めての時代劇なので、所作や殺陣も大変なのではないでしょうか。

伊藤 最初の登場が槍(やり)稽古をしているシーンなので、槍の稽古には苦戦しました。最初はうまくいかなくて、たくさん怒られて(笑)。長い棒を買って、毎日家で練習して、体に馴染ませてから撮影に臨んだら、怒られない程度には上達しました。槍を使うシーンはまだ観られていないので、どうなるのか楽しみです。

――今回演じる武将・加藤清正という役をどう受け止めましたか。

伊藤 いろいろ調べたんですが、天才、英雄、豪快な武将、築城の名手という史実を知っていくうちに、これはヤバいな、自分に演じられるのだろうかと思ったんです。でもドラマに初めて登場するのは14歳の頃なんですよね。まだ秀吉の小姓として、武将の先輩方の背中を見ている時代。だから、現代に伝わる加藤清正像が、どのような道のりでたどり着いたのかを描くものだと思ったんです。演出の方からも、年齢を重ねていく様を表現するために、若い頃は声を高くしてほしいという指導もありました。だから現段階では、自分なりに初々しさを大切にしています。そうやって加藤清正の過渡期の姿を丁寧に演じながら、一歩ずつ大きくなっていく様を表現できたらなと考えています。

――大河ドラマはセットも壮観ですよね。

伊藤 セットが一晩でガラッと変わるという話は聞いていたんですが、実際に2日連続で現場に入った時に、全く違う景色になっていて驚きました。これだけの規模感を一晩で作り上げるには、どれだけの人たちが関わっているんだろうと。その場でお芝居させてもらっていることが本当にありがたいなと感じましたし、緊張感もすごくて。どのキャストさんも映画やドラマで観てきた方々ばかりですしね。

――主演のお二人の印象はいかがですか。

伊藤 池松(壮亮)さん、仲野(太賀)さんとご一緒するシーンが多くて、お芝居のすごさはもちろんですが、お二人とも人間性が素晴らしくて。まだまだ駆け出しの自分にも気さくに話しかけてくれますし、お芝居の相談も親身に聞いてくれます。こんな機会もなかなかないので、自分からも積極的に話しかけに行っています。将来、お二人のような俳優になれたらなと目標にさせてもらっています。

――現時点で一番大変なことは何ですか。

伊藤 やはり槍の稽古ですね。膝をつきながらの組み換えがなかなか難しくて。しっかり練習を続けて、槍の名手というイメージに近づけていかなきゃいけないなと思っています。