とんねるずさんの真似をして盛り上げるのが好きだった
――古い音楽や映画が好きとお聞きしましたが、ご家族の影響ですか?
三浦 家で日常的に流れていたのでそれを観ていたのと、家に大人がいることが多かったので、同世代よりも大人の方と過ごす時間のほうが多かったんです。
――『あしたのジョー』は漫画で読まれたのですか?
三浦 漫画ですが、アニメもDVDで全話観ました。「泪橋」と書かれた箱にDVDが全巻入ってるんです。
――好きなキャラは誰ですか?
三浦 やっぱり矢吹丈ですね。矢吹丈VSカーロス・リベラの試合で、リベラが最後パンチドランカーになっちゃうところとか、小学生でしたけどグサリと来ました。父親(三浦知良)は矢吹丈VS金竜飛の戦いが好きなんです。丈とウルフの二人の出会いのシーンも熱いですね。ウルフにサインを求めた丈が、ウルフの字に「下手くそだな」と言って。ウルフに殴られるかと思いきや、逆に丈がクロスカウンターで決める……。
――よく覚えていらっしゃいますね!
三浦 同じ作品を何回も見ちゃうタイプなので(笑)。
――漫画は他にどんなものを読まれていましたか?
三浦 あだち充さんの漫画が大好きで、『タッチ』『H2』『クロスゲーム』『MIX』とかですね。今も読み続けていますし、『みゆき』も大好きです。
――キャリアについてお聞きします。中学、高校はサッカーに打ち込まれていたそうですが、小学生の頃はサッカー以外のことに打ち込んでいたのでしょうか?
三浦 小学生の頃は漫画の『ドカベン』に憧れて野球をやっていたんです。なかでも好きだったのは、ピアノが得意な殿馬一人というキャラクター。殿馬みたいになりたくてピアノ教室に通ったこともありました。その後は、中学1年生の時に観たワールドカップがきっかけでサッカーに憧れて、高校まではずっとサッカーをやっていました。
――影響されるものが総じて昭和ですね(笑)。お父さんの影響は受けなかったのですか?
三浦 深く考えたことはないですが、父親より『ドカベン』が響いたのかもしれません(笑)。
――『タッチ』ではなく『ドカベン』だったんですね。
三浦 『タッチ』も野球の入り口ですが、ダントツで好きだったのは『ドカベン』の殿馬一人でした。ボジションも同じセカンドでバントを極めて、“秘打・白鳥の湖”をやろうと思いましたが、あれは漫画だからできるんだと気づいてやめました(笑)。
――大学ではスポーツビジネスを学ばれたそうですね。
三浦 スポーツが好きだから、スポーツ関連のビジネスが好きになるかもしれないと選択しましたが、いざ勉強してみたら、スポーツが好きなことと、ビジネスで捉えることは別物だということに気づきました。
――芸能の仕事をしようと思ったのはなぜですか?
三浦 自分から芸能の仕事を考えたことはなかったのですが、誰かに喜んでもらったり、笑ってもらったりすることが好きでした。小学生の頃から父とよく行っていたカラオケステージのあるスナックで、とんねるずさんの真似をして盛り上げたりしていましたし、大学時代はスナックでMCをしていました。ある時、大学時代の先輩が呼んでくれたパーティーで、スナックで身につけた盛り上げ方をしていたら、偶然居合わせた芸能事務所の方から「君はエンタメの世界に行ったほうがいい」と言われて。そこで初めて「ああ、そういう道もあるんだな」と気づきました。大学2、3年生の頃で、ちょうど進路に悩んでいたこともあり、「もし何かあればぜひ」と返事をしたら、3日後ぐらいに「事務所の社長が会ってみたいと言ってるけどどう?」と言われ、そこでお会いしたのが今の事務所の社長です。
――ちょうど就職を考える時期だったんですね。
三浦 1週間後にオーディションあるから来なさいと。当時の僕の憧れは、とんねるずさんと尾崎豊さんでしたが、僕はお笑いのセンスがあるわけでもないし、歌詞が落ちてくこともない。どうしようと思った時に、ふと見た俳優の本に「役者は努力でなれる」というようなことが書いてあって。浅はかですけど、努力でなれるならいけるかもしれないと思ったんです。小さい時からドラマが好きで、長瀬智也さんに憧れていたから、そういうジャンルを目指そうと思いました。
――ちなみにとんねるずさんは、どんな番組が好きでしたか?
三浦 YouTubeで「とんねるずのみなさんのおかげです」から観ていました。とんねるずさんって無茶苦茶で、あの時代だから許されたこともあると思うんですけど、ノリ(木梨憲武)さんとタカ(石橋貴明)さんが楽しそうにしている姿がいいし、歌を歌っている姿もかっこいい。茶の間の人という意味でもすごく惹かれました。
――とんねるずさんとお会いしたことはありますか?
三浦 まだないです。ただ、僕は木梨サイクルでよく服を買っているのですが、ノリさんがそのことを知ってくれていたらしく、去年、木梨サイクルから事務所に段ボールが届いたんです。「獠太に渡しておいて」とひと言だけ書かれた手紙が入っていて「カッコイイ~!」と痺れました。ノリさんっぽいセリフで、声が聞こえたような気がして、うれしかったですね。