「これを求めてお芝居をやっているんだ」と思えた映画『光』
――ターニングポイントになった作品を挙げていただけますか。
福崎 中学生のときに『光』(2017)という映画に出演させていただいて、離島に暮らす主人公の少年時代を演じました。離島に2週間ぐらいこもって撮影したんですが、コンビニもない場所で、本当に自然しかない場所でした。僕が演じた黒川信之は殺人に及んでしまうのですが、そのときに先ほどお話しした、役を演じている自分ではなく、役そのもののお芝居のような感覚がありました。そのときに「これを求めてお芝居をやっているんだ」と思えたんです。
――その感覚は離島という環境が、もたらしたところもありますか?
福崎 間違いなくあると思います。真夏だったので、めっちゃ暑いし、着ている服もびしょびしょだし、メイクも若干剥がれて目に入ってきて痛いし、虫の声もうるさいし……。そういう状況の中で、衝動的に殺人に走ってしまうシーンを撮影して、いろいろな要素が合致した結果、その瞬間が生まれたんだろうなと思いました。
萩原 僕は『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』がターニングポイントになるのかなと思います。これだけ一つの作品に同年代の俳優が集まることってなかなかないし、たくさん同年代が集まっているからこそ生まれる空気感もあって、すごく貴重な経験をさせてもらっているなと感じます。確実に学園ドラマにしかない独特な緊張感があって、それは“劇薬”だと思います。その緊張感に翻弄されているようでは、これから先続けていけないと思うので、今後も地に足を付けて撮影に臨んでいきたいです。
――最後に今後の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の注目ポイントをお聞かせください。
福崎 三話で眉村と日暮が反旗を翻しますが、それをきっかけにクラス全体の雰囲気も変わっていきます。三話で二人は「自分たちの世界で生きていく」という発言をしていますが、本当に二人の世界だけで生きていくのか、それともクラスメイトと打ち解けていくのかに注目して観ていただけるとうれしいです。
萩原 三話で行動を起こしたことによって、二人が周りのことをどう考えるようになったのかを想像しながら観ると、ドラマの見え方も変わってくるはずです。まだ撮影も折り返し地点に差し掛かったばかりなので、僕自身も今後の展開が楽しみです。
PHOTOGRAPHER:YU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,MAKE: Reina(TableRockStudio)
衣装協力:URBAN RESEARCH iD、ROSTER BEAR×URBAN RESEARCH iD