「これが太田将熙です」という自己紹介的な1冊
――デビュー10周年を記念したアニバーサリーブック「其のまま。」は、太田さんご自身がプロデュースやデザイン監修をされたとお聞きしました。まず、ロケ地が太田さんの出身地である千葉県ということですが、選んだ理由は?
太田将熙(以下、太田) 豪華なロケ地に行くよりも、自分らしさをより強く出せるのは出身地の千葉だろうなと思ったんです。それに山や川などの自然に加えて、ほどよく都市部もある。特に、僕がお仕事で何度か訪れているいすみ市の雰囲気がすごく好みで、自分が自然体でいるのに適している場所だと思っていたので、是非そこで撮りたいと自分から提案しました。
――撮影で印象に残っている場所はありますか?
太田 一方に海、もう一方に町並みが見える丘があって、それぞれの景色が織りなすコントラストが映えていて素晴らしい場所がありました。それに、いすみ市は夜空もすごく綺麗なんです。日が落ちる頃くらいに海の近くでも撮影したんですけど、満点の星空が広がっていて、良い町だなと思いました。
――ロケーションを活かした写真も魅力的です。衣装に関してテーマなどはありましたか?
太田 着飾らず、自分らしさを出しつつも、ちょっとおしゃれな要素も入れたいといった感じでスタイリストさんと選んでいきました。でも、浴衣を着用したカットでは、実際に泊まった旅館のものをお借りさせてもらって。“そのまま”感が面白いかなと思って現場で提案させてもらうこともありました。
――プロデュースも含めて、昔から提案などは積極的にされていたのでしょうか?
太田 昔なんて、もうずっと怒られっぱなしで、意見するどころじゃなくて、息をするので必死みたいな感じ(笑)。おかげさまでこの10年間、いろいろ経験させてもらったことで、説得力のあるアイディアを出せるようになりました。
――俳優として演じることと、被写体として撮られることの感覚の違いなどはありますか?
太田 すごくあるかもしれない。「これはかっこいい表情で写真を撮る必要があるな」みたいなとき、そういう役のスイッチを入れないとできないというか、繕えないんです。例えば何か映像作品の撮影をしているときって、カメラなんてまったく気にならない。でも、役に入っていない太田自身を撮るときはちょっと恥ずかしかったり、緊張しちゃったりする自分がいる。10年もやってきて何言ってんだって話ですけど(笑)。
――記念グッズもこれまで以上にスペシャルなものを用意されているようですね。
太田 僕の身長そのままの等身大ポスターカレンダーという斬新なものから、今までになかったアクリルスタンドなど、10年分の感謝の気持ちを届けたいという思いから色々作りました。映画の現場で出会ったデザイナーの方や昔からの友達にもお願いして一緒に仕上げたものもありますし、今までにないこだわりがすごく詰まっています!
――他に注目してほしいポイントはありますか?
太田 写真はもちろんですが、約2万字のロングインタビューもあり、幼少期から現在までの話を赤裸々に語らせてもらっています。日頃支えてくださっているファンの方や、最近興味を持ってくれた方にもそれぞれに新しい発見がある、「これが太田将熙です」という自己紹介的な1冊になったと思います。