中毒性の高いサビのフレーズを全体的に意識した3rd EP
――昨年6月の2nd EPリリースタイミングに続いて、二度目の登場となります。今回もよろしくお願いします。間もなく、アーティスト前田佳織里としてのホップ・ステップ・ジャンプの“ジャンプ”に当たるとも言える3rd EPがリリースとなりますが、前田さんにとってどんな作品になりましたか?
前田佳織里(以下、前田) 3rd EPは『I’m ready!』というタイトル通り、1st EP、2nd EPを経て、ついに「準備はできた!」と、3rd EPを通して1つ確立した自分をアピールするような作品になったと思っています。アーティスト活動を続けさせていただく中で、自分のスタイルのようなものがだんだん分かってきて、自分がアーティストとして大事にしたい部分は“遊び心”だなと考えるようになったので、今回の3rd EPもファンの皆さんに一緒に楽しんでもらえるような作品になったらいいなという思いを込めて作りました。
――タイトルからもとても自信が感じられますが、これは前田さんご自身が考えたのですか?
前田 そうですね。EPリリース後の4月27日にはLINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブも控えているので、ワンマンライブを『Are You Ready?』というタイトルにして、呼応するようなタイトルにしたいという思いがあったので、EPとワンマンライブのタイトルをセットで考えた形です。
――EPのジャケットがまた遊び心溢れる写真ですね。この髪型は何と言うのですかね?
前田 私も初めて挑戦したんですけど、みたらし団子みたいなので、勝手に“みたらしヘア”と呼んでいます(笑)。ウィッグで髪の毛を盛ってボリューム感を出したんですけど、重くて頭皮が引っ張られてびっくりしました(笑)。
――そして、強い眼差しで改造バイクに跨っているのかなと思いきや…。
前田 自転車なんです(笑)。小さい頃から自転車が大好きで、自転車に乗ってどこまでも遠くまで行くような子どもだったので、アーティスト活動でもそういうヤンチャな部分を出せるといいなと思いまして…。かっこよく決めているけれど、乗っている乗り物はデコったチャリという、そんなかっこいいと面白いを兼ね備えたジャケット写真になっています。でも、シチュエーション的には滑走路なので、これから自分が自分のスタイルでどう飛び立っていくのか、期待して見守っていて欲しいといったメッセージも込めさせてもらいました。
――このジャケ写1枚に色々な意味が込められていると知れて良かったです。今回のEP全体に共通するようなテーマやイメージはありますか?
前田 特徴的な歌詞や、何度も繰り返される中毒性の高いフレーズが出てきたり…そういった部分を全体的に意識して作っているので聴いていても癖になって飽きのこない1枚になっているかなと思います。
――では、1曲ずつ深掘りしていきたいのですが、まずは1曲目「Awakening Overture」。意外なインスト始まりでびっくりしました。これはやはりライブの始まりを意識したのでしょうか?
前田 おっしゃる通りです。ライブの始まりを告げるOvertureのあのワクワクが募る感じをEPの始まりに持ってきたいなと思ったので1曲目にしました。Overtureっていいですよね
――気持ちが高まりますね。
前田 しかも、最初は爽やかでかっこいいメロディーなんですけど、後半は私らしく癖のある感じやゲーム音楽みたいな遊びもあってキャッチーなので、とても気に入っています。
――そして、2曲目が「キュンアピ」。Overture明けの歌始まりですし、声色やトーンがかなり可愛らしい角度からきたので、相当インパクトがあるなと感じました。
前田 この曲はTVアニメ『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』のエンディングテーマなんですけど、メダカを落とすために頑張るヒロインの川井モナちゃんの乙女心をギュッと詰めた曲になっています。最後まで通して聴くと、本当に健気過ぎて泣けてくるというか、感動するような気持ちにもなれる曲です。頑張って変わろうとしている、可愛くなろうとしている…そんなすべての皆さんの味方のような曲なんですけど、中毒性のあるフレーズや歌詞もポイントですし、色々なセリフにも注目して聴いてほしいです。
――たしかに、繰り返される「キュン キュンアピ」がキャッチ―で耳に残りますけど、セリフも印象に残りますね。
前田 声優の本領発揮的な意味で頑張りました(笑)。可愛いセリフもたくさん散りばめさせていただいたので、そういう遊び心的な部分も楽しんでほしいなと思います。
――アニメのエンディングで流れ始めてからの反響はいかがでしたか?
前田 毎回アニメの放送が終わると、SNSなどで「可愛い曲」とか「いい歌」とか言ってもらえてとても嬉しいです。アーティスト活動の中で、過去最高にキュンキュンしている曲なので、最初に公開した時には「こんな感じなの!?」という驚きの声もたくさんありました。アーティストとしての振れ幅というか、新たな一面を見せることができたんじゃないかなと思っています。