10代の曲を書こうと思ってできたのが『ネクター』

――9/10リリース4th Mini Album「ナイフ」についてお伺いします。タイトルやアルバムのコンセプトやテーマを教えてください。

スズキナオト 「ナイフ」はテーマではなく、歌詞からとったタイトルになっています。これまでも、アルバムタイトルを歌詞から取ることがありました。ナイフというワードが似合うアルバムだなと、多分みんなうっすら思っていたと思うし、メンバー、スタッフ全員で候補を出して、ナイフというタイトルが一番しっくりきました。コンセプト自体はそんなに決めてなかったですね。

――ジャケット写真も印象的です。

ゆっきー ジャケット写真自体はたくさん撮った中から選びました。廃墟ではないですが、少し廃れた場所のイメージがありました。でもあんまりコンセプチュアルになりすぎないように撮ろうと思い、あの場所にしました。

――ポップな感じはありつつ、よく見ると少し廃れている感じがします。

ゆっきー あとは、1st Mini Album「イラつくときはいつだって」のニュアンスにしたいという話もありました。それを踏まえて僕とカメラマンさんとデザイナーさんで話し合い、方向性を決めていきました。

――アートディレクションはゆっきーさんが担当されているんですか?

ゆっきー そうですね。僕がやることが多いですね。

スズキナオト ゆっきーが統一感を大事にしながら、作品にも合わせてくれるのでありがたいです。

――ここからは収録曲についてはお伺いします。リード曲『ネクター』はどんな楽曲でしょうか?

スズキナオト 10代の曲を書こうと思ってできたのが『ネクター』です。10代目線というよりは、10代の輝きみたいなのと、今現在との対比のような曲になっています。どちらかというと大人になった自分目線で書いています。

――このタイミングで10代を書こうと思ったきっかけはありますか?

スズキナオト 僕自身ずっと10代に縛られているというか、16歳の夏が一番楽しかったのですが、それを超えたいじゃないけど、そろそろ自分の気持ち的に動き出さないといけないなと思っていました。16歳の頃を思い出すと、当時ネクターをずっと飲んでいて。いつかネクターを題材に曲を書こうと思っていましたが、 その時がきたという感じですね。

――歌詞自体、原体験がベースになっているのでしょうか?

スズキナオト そうですね。16歳の頃はユウスケやゆっきーと毎日、海に行ったりしていて、その時にネクターを飲んでいました。

――『ネクター』はナオトさんが作詞作曲をされていますが、楽曲制作自体はどのように進めることが多いですか?

スズキナオト もちろん曲によりますが、『ネクター』はデモの段階でガッチリ固めていました。細かいところはメンバーと詰めていく感じでしたが、僕の中では全体のアレンジまで固まっていました。

――ナオトさんからデモが渡された時、皆さんの印象はいかがでしたか?原体験ということもあり、イメージしやすかったでしょうか?

スズキユウスケ そうですね。聴いてすぐにあの時の話かなとまで思わなかったのですが、改めて歌詞を見て、「ああ、こういうことなのかな」と感じました。デモからそこまで変わってないので、完成まで早かったです。

――イメージが共有できていたのであれば、歌いやすかったですか?

スズキユウスケ 意外とレコーディングは苦労しました。

スズキナオト 僕がイメージを固め過ぎてしまったことで、難しかったんだと思います。ピッチやキーは歌いやすい構成で、本当に細かい部分で苦戦しているのを感じました。

――ナオトさんのイメージとユウスケさんの歌唱にズレがあったのでしょうか?

スズキナオト そうですね。最後まで僕のイメージと完全一致はしなかったのですが、それが逆に良いなと思いました。僕には僕の癖があって、ユウスケにはユウスケの癖があって、より良い『ネクター』になったと思います。

スズキユウスケ ナオトの希望に100%で応えられなかったというのは悔しいです(笑)。でもナオトが言ってくれた通り、僕の癖をしっかり出すことを意識しました。少し歌い方を変えてみたり、新しいチャレンジのきっかけになった曲です。

――ゆっきーさんいかがですか?

ゆっきー デモを聴いた時点で、すごく良い楽曲だと思いました。デモに忠実に弾きつつ、整理するところは整理しました。やりすぎない程度にちょっとしたメリハリをつけて、というイメージでした。

――歌詞的にはいかがですか?一緒にいたときのことがモチーフになっていますが、いかがでしょうか?

ゆっきー 具体的にあの時のことかなとは思わなかったです。ナオトが青春時代を思い出しながら書いたんだろうなというのは伝わりました。実際に話を聞いたら、確かに納得しました。

――ゆりとさんいかがですか?

ゆりと ドラムは本当に難しくて、最後まで掴みきれませんでした。ライブでも演奏しましたが、正直、まだまだ難しいです。テンポ感が苦手なのもありますが、自分と曲のテンション感がまだ合いきっていないという感じがあるので、ツアーに向けて調整していきたいです。

――MVも公開されていますが、監督は過去に何度もタッグを組まれているエリザベス宮地さん。今回はどんな感じで制作に入られたのでしょうか?

ゆっきー MVの構成案が出てきた時点でイメージが合っていました。特に細かい部分は説明してないですね。

スズキナオト 歌詞を先に宮地さんに送り、歌詞からイメージを膨らめてもらいました。宮地さんは学生時代に水泳を経験されていて、ご自身の青春と重ねた部分もあるのかもしれません。

――撮影は順調に進んだ感じですか?

スズキユウスケ スムーズでした。宮地さんは俳優さんたちと一緒に泳ぎながら撮影していたので、大変そうでした。