マインドを切り替えることを学んだ『どうか闇を、きみに』
――舞台『TRIANGLE』は、内藤さんにとって数年ぶりのストレートプレイになるそうですね。
内藤大希(以下、内藤) お話をいただいた時は、やりたい気持ちと恐怖の半々という感じでした。ミュージカルだと、舞台上で何か起こっても、歌で届けるということで成立させられるのが強みです。ストレートプレイは言葉で物語を紡いでいくので逃げられないし、果たして今の自分にできるのかという不安がありました。ましてや『TRIANGLE』は言葉がキーワードになりますからね。

――初めて台本を読んだ時の印象はいかがでしたか。
内藤 どんどん読み進められて、小説を読んでいるような感覚でした。演出の伊藤裕一さんが自ら脚本をお書きになっていて、3人しか登場しない心理サスペンスにリモートを使うという、コロナ以降の日本を切り取った感覚がすごいなと思いました。
――稽古に臨む上で、どんなことを意識しましたか。
内藤 基本中の基本ですが、まずはセリフを頭に入れておくというのが前提の稽古になると思ったんです。そして、短い稽古期間の中で、伊藤さん、共演の前島亜美さん、陣慶昭くんと共に、より深く物語を掘り下げたいなと思いました。僕自身もそうですが、誰かがセリフを飛ばすことがあるかもしれない。でも舞台上には3人しかいないので、リカバリーできるのは他の2人だけ。だから何か起きても、余裕があって、みんなが安心できるくらい、リカバリー能力が大切だなと思いました。
――過去に3人芝居の経験はありますか?
内藤 2017年に『どうか闇を、きみに』というストレートプレイで初めて3人芝居を経験しました。共演は山下容莉枝さん、三浦涼介くんとお2人とも経験豊富な先輩。僕のお芝居で稽古が進まないという時間が多く、暗い話で逃げ場がなかったので、かなり追い詰められましたね。ただ演じたのも追い詰められている役で、監禁されているというスタートだったので、切羽詰まったところはお芝居的にもリンクしました。ただ稽古中は、あまりにも稽古場に行きたくなくて、外を走って、一回汗をかいてから稽古に臨んでいました。その時にマインドを切り替えることを学んだし、経験値の上がった舞台でした。今回の『TRIANGLE』も新たな経験として、自分の中でターニングポイントになりそうな予感がしています。

――今回は『どうか闇を、きみに』とは立場が逆で、内藤さんがキャリアも年齢も上です。
内藤 そうですね。安心して2人が演じられる役割を目指したいです。
――今回演じる上川大也は、どんなキャラクターでしょうか。
内藤 表の顔は売れっ子作家ですが、内面には猟奇的なものを持っています。どちらかというと僕は明るい役が多かったので、上川のように陰のある二面性を持った役柄は初めてなんです。そういう意味でも新たな挑戦です。
