課題が明確になった分、自分が目指しているところが、どれだけえぐいのかも分かった

――ニューアルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』はBillboard JAPANのDownload Albumsで週間2位、オリコンの週間デジタルアルバムランキングで3位を獲得するなど、好調なチャートアクションを見せました。以前からチャートを第一優先にしてはいないと仰っていますが、今回の結果を受けて、どのように捉えましたか。

Novel Core ヒットチャートを意識するというよりも、純粋に人が聴いて「すごい」「面白い」といった、興味をそそられるものには、ちゃんと理由があるというのは自分の中ではっきりしていて。それがチャートやプラットフォームなど、みんなの目に見える形の数字に直接的に結びついていなくても、「この人はチャートの上位にいなくても、いずれ確実に評価されるタイミングがくるだろうな」と見ていて分かるアーティストは実際にいるし、そういう人は遅かれ早かれ評価されていく。だから、準備が整っているかどうかが大事だと思っていて。その点で言うと、まだ自分はブレイクスルーというか、いわゆるブレイクアーティストになって大衆が気づくような段階に達した時に、本当の意味で準備が整っているかというと、「いや、まだじゃない?」と感じる部分がたくさんあったので、そこを早く潰さないといけないというのが今の自分たちの立ち位置です。

――たとえば今回のアルバムに参加しているJESSEさんは、音楽的な評価が高く、RIZEで商業的な成功も収めていますが、どういうところが優れていると分析しますか。

Novel Core ヒットって運もあれば時流もあって、いろんな要素が複雑に絡み合った結果だから、狙って打てるものではないとは思うんです。JESSEさんに関して言えば、まずフロントマンとしてのカリスマ性、人を引き付けるものがあの人自身にそもそもあって、その上でパフォーマンスが抜きん出ているというパワーがある。さらにRIZEは、フロントマンだけが突出しているパターンではなくて、それぞれ別の漫画の主人公が一堂に会したみたいな、MARVEL的な要素があると思うんですよね。あとは総じてキャッチー。JESSEさんから言われた「キャッチーであるための努力ができている人とできていない人には明確な差が出る」という話は、自分もこの1年そういうモードで音楽をやってきて、本当にそうだなと実感しています。

――メロディーに対する意識は変化しましたか。

Novel Core 自分の作るメロディーに関しては、昔からキャッチーであるという自信がめちゃくちゃあって。たとえばm-floの楽曲に作詞作曲で参加した「HyperNova」がヒットしたりといった経験を通じて、やっぱり自分の作るメロディーは、人々に「いい」と思ってもらえるということが、この数年で確信になったんです。だからこそ、そのメロディーを際立たせるために、自分の歌がちゃんと追いついているか、アレンジがメロディーに合っているか、そこをもう一度見直した方がいいなと思って、今回のアルバム制作では丁寧に向き合いました。

――先行曲の「DiRTY NASTY」から歌い方が明らかに変わってきた印象があります。

Novel Core 歌い方が変わったというよりは、「変えられるようになった」という感覚に近くて。確か「iCoN TOUR 2023」のファイナルをEX THEATER ROPPONGIでやった際、見に来てくれたSKY-HIとフィードバック会をした時に「コアはもっと1曲の中で使える声色の種類が増えたらもっと良くなる」と言われたんです。当時、それにすごく悩んでいて、たとえば「WAGAMAMA MONDAIJI」だったら、Aメロ、プリフック、各サビで構成上、声を変えられるはずの曲なのに、自分的に平坦というか。ずっと同じトーンとキャラクターで歌っている感じがあって。変えようとしても技術的にそこに追いついていない、という悔しさがずっとあったんですよね。

――何か変わるきっかけがあったんですか。

Novel Core ライブをやっていく中で見つけた新しい声の出し方もありますし、作家としての技術や知識が追い付いてきた分、楽曲を作るふり幅も増えていって、それに対応する声のふり幅も増えていく。芋づる式で、どんどんふり幅が増えていますし、もっと広がっていくはずなんです。

――バースデーライブでも、たとえばがなり声ひとつとっても、様々なバリエーションを感じました。

Novel Core 去年の秋からMeg先生という方のところに、ボイストレーニングに通い始めたんです。Meg先生は歌のメソッドというよりは、歌を歌うために必要な筋肉、フィジカル面、体のメンテナンスの部分を強めにやる人で。腹圧だったり、それに必要な体幹だったりが少しずつトレーニングの中でついてきていて。まだ100パーセントで言うと、自分の中では6パーセントぐらい。あと94パーセント頑張んなきゃいけないですけど(笑)。その6パーセントが増えただけでも、歌が如実に変わる気がしていて。一番大事だなと気づいたのは、「こいつの歌すげー」と思う人は、だいたい息の量のコントロールが上手なんです。それは最近のテーマです。

――息の量のコントロールとはどういうことでしょうか。

Novel Core 本来は息が出て行かないようにコントロールしなきゃいけないんです。たとえば演歌歌手は着物を着る方が多くて、おなかに強く帯を巻いて、腹圧が常にかかっている状態で歌われるじゃないですか。だから演歌歌手の方は腹圧のコントロールに昔から慣れている。サビでハイトーンになったり、すごくキーが高い曲だと、普通はサビとAメロの低いところで出ていく息の量が変わっちゃうはずなんです。でも、歌がライブでブレない人、声量が一定でコントロールされていて、ちゃんと声が通る人って、みんなAメロの低いところとサビのパーンって出るところで息の量が変わっていないんです。声量を出しているように見えて、デシベルで言うと、そんなに変わってなかったりして。でも、声はめっちゃ通る。結果的に抜けがいいから、声がすごく大きいように聞こえるっていう人が、バンドのボーカリストにも多くて。Meg先生の指導でそれに気づくようになってから、歌い方も変わりました。

――息継ぎひとつも変わってくる?

Novel Core 全然違いますね。たとえばペットボトルに4分の1くらい水を入れて、ストローをさして、泡が一定になるように1分間、ずっとブクブクやり続けるんです。さらに、それをプランクしながらやる。どうしても起き上がる時にブクブクが大きくなるんですけど、これをコントロールできるようにならないと、僕が歌いたいように歌えないと気づいたんです。それが自分の中で大きくて、課題が明確になった分、自分が目指しているところが、どれだけえぐいのかも分かりました(笑)。