松井玲奈さんと夏都愛未監督の3人でお互いの意見を言い合った
――映画『緑のざわめき』は、異母姉妹の3人が、不器用に絡まり合いながら、互いの存在を認め合うストーリーです。岡崎さんが演じるのは、病を機に女優を辞めて、生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってきた姉の響子と繋がりたい一心で、彼女をストーカーする異母妹の菜穂子です。脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。
岡崎 自分としては挑戦的な役だし、人と人との関わり合いが繊細で、難易度が高い作品だなと。傍から見たらストーカーじみたことをしてしまいますけど、異母姉妹だから繋がりたいという気持からの行動なので、あまりストーカーということを強く意識しないようにしようと思いました。
――福岡、佐賀のロケーションが素晴らしかったです。
岡崎 絵になる素敵な場所が多かったですね。特に印象的だったのは三姉妹が一緒になる海で、海の前に鳥居があって、その前に木がたくさん生い茂っていて、とても綺麗なシーンになりました。撮影以外でも、空き時間に温泉に行ったり、神社を散策したりと、とても楽しい時間でした。
――夏都愛未監督の演出はいかがでしたか。
岡崎 疑問に思うシーン、特に菜穂子が勝手に響子のおうちに上がり込んでしまうシーンは、作品の中でも重要な意味を持つので、話し合いを重ねました。響子を演じた松井玲奈さんも交えて、それぞれの意見を言い合って。こうしよう、ああしようと時間をかけて考えてくださる監督で、すごく潔くて、演じる側としても分かりやすかったです。ニュアンスで伝えるというよりも、「これはこう!」「これはいらない!」と曖昧にせずに答えてくれるんですよね。自分的にも初めて挑戦する役であり、悩みつつやっていたところもあったので、すごく助けになりました。
――松井さんの印象はいかがでしたか。
岡崎 初めてお会いしたんですけど、すごく透明感のある方で、どこかミステリアスなところもあって。底がないというか、もっと知りたいと思わせる魅力をお持ちの方だなと思いました。松井さんには響子と通ずるところがあって、響子を憧れの対象として見ている菜穂子に、より共感することができました。
――現場の空気感はいかがでしたか。
岡崎 和やかな雰囲気だったんですけど、ずっとワイワイしている訳ではなくて。私、松井さん、妹の杏奈を演じた倉島颯良さんの3人が揃う時間もシーンも少なかったので、一定の距離感はあったんですけど、その距離感が三姉妹を演じる上で、ちょうど良かったです。