アルバムを掲げた10月スタートの全国ツアーでは「進化した僕らを見せられるように」
――2ndアルバム収録曲で、それぞれ“これを聴いてほしい”と思う曲も紹介していただければ。
ナオト 僕は「ピンクフラミンゴ」ですね。オレンジスパイニクラブらしい曲であり、歌詞のストーリー性もしっかりあるし、耳に残るメロディなので。メロディと歌詞の調和に注目してください。
ゆりと 「9分間」はメジャーっぽくないというか、バンドサウンドながら音数の少ないチープさがけっこう好きです。メロディもいいし、特にサビがキャッチーで覚えやすく、口ずさみやすい印象です。歌詞もあいまって譜割りにグッと来るので、感動があると思います。
ゆっきー 僕は「no reason」が好きです。僕らでアレンジも手がけた曲で、トオミさんのアレンジで学んだことを、メンバー全員で活かせたなと思っています。昔だったらもっとガチャガチャしたと思いますけど、あえてそうせずシンプルに、サビではメロディのよさをより強調できたし、適度な尺で繰り返し聴けるはずです。
ユウスケ どれも好きですけど、「hug.」です。最後に作った曲で、アルバムのフィナーレを飾るのにふさわしい曲です。作詞作曲をしたナオトの優しさ、愛情を再発見できました。ナオトの曲を好きな人の気持ちがもっと強くなると思うし、個人では、歌い方の幅を探した曲なんです。切ないところはより切なく歌わなければいけないし、最後のサビでは、切ないけど前向きで優しくなれる、温かくなれる表現を心がけて。いままで意外となかったし、テンポもよく自然と体が揺れる雰囲気なので早くライブで披露したいです。
――2023年10月からは、2ndアルバムを掲げた全国16都市を巡るツアー『2nd Full Album 「Crop」Release ONEMAN TOUR 2023 -見えないものに愛を-』もスタートします。
ゆっきー アルバム発表後にツアーを回る流れは、1stアルバム以来で2年ぶりなので、2年間でライブの質はよくなったし、コロナ禍を経てお客さんたちも声を出せるフルキャパの会場に立てるので、楽しみだし、気合いも入っています。
ユウスケ 2年ぶりだから、お客さんも期待してくれているはずだから。久々に、僕らのライブに来てくださる方もいると思うんです。進化した僕らを見せられるように、ツアーを巡りたいです。
――ツアーファイナルで立つ、東京・新宿の“Zepp Shinjuku (TOKYO)”には特別な思い入れが?
ナオト 1stアルバムのツアー、2022年のワンマンツアーではいずれもファイナルが東京・恵比寿のLIQUIDROOMで、規模感を少し上げるなら会場として合っているなと思ったんです。あと、やっぱり“Zepp”への憧れがあり、いつかワンマンで立ちたい場所だったので。歌舞伎町にあるライブハウス・新宿Marbleで育ったのもありますし、思い入れの強い場所でやれるのはうれしいです。
――ワンマンの一方で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「COWNTDOWN JAPAN」など、大型フェスも経験しています。
ユウスケ フェス初参加が大阪の「METROCK 2022」(2022年5月)で、当時は何していいかも分からず青かったと思います。気持ちが切り替わったのは、なきごとの代打で出演した夏の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」(2022年8月)です。フェスは「自分たちが楽しむだけではダメだ」と知り、ちゃんとお客さんを盛り上げる方法を模索するようになりました。今年は「FUJI ROCK FESTIVAL’23」(2023年7月)に初めて呼んでいただいたんですけど、思いのほか満足できるライブができなかったんです。だから、翌週の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」では気合いを入れ直して、色々な人に見ていただけたので自信を持っていいと思えたし、成長の余地もあると思いました。
――6月には藍坊主、ハルカミライ、THE2、Hump Back、四星球と、各都市でそれぞれのバンドとステージを共にした対バンツアー「混ゼルナキケンVol.2」も開催しました。
ナオト 昨年も他のバンドと「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2022」と回って、世代の近いKALMA、PK shampoo、Makiと一緒だったので、全バンドとの“対決”のような独特な空気感でした。今年の「混ゼルナキケンVol.2」はバンドの先輩方に胸を借りるような心持ちで、それこそ、ハルカミライのライブでは打ちのめされました。僕らのルーツにもあるパンクの世界観だから、僕らもパンクバンドとして勝負しようと決めたんです。でも、いざステージを見たら勝てないと思ってしまって。対バンが終わって数ヶ月ですけど、自分たちを見つめ直し、改善するきっかけになりました。