ライブの人気楽曲「天つ風」が待望の音源化

――3年半ぶりのフルアルバム『ゆくえ』がリリースされましたが、まずはこのアルバムのコンセプトを教えていただけますか?

髙田彪我(以下、髙田) 2人とも成人を迎えて初のアルバムになります。今の僕たちを知っていただける1枚になっているかと。

田中雅功(以下、田中) 僕らの今のカラーを感じていただけるアルバムになればいいなという想いで作った1枚です。

――収録曲の10曲中6曲がお2人によって制作されていますね。どの曲を入れるかはすぐ決まりましたか?

田中 「天つ風」と「コトノハ」を入れるかどうかという事は迷いました。「天つ風」は、すごく好きと言ってくれる方も多くて、昔からライブの定番曲でもありました。だからこそ、「ライブでやる曲」というイメージが強かったので音源化するかということは迷いました。

髙田 『ゆくえ』の楽曲リストが解禁となった時に、「天つ風」に関してはやっぱり反響が大きかったですね。

――「天つ風」はガクさんが10代の頃に作った楽曲ですが、今改めて聞いて「この時こんなこと考えていたんだな」と感じる部分はありますか?

田中 歌詞が若いというか、書いている人は同じなので、根本的な考えは変わらないのですが、子どもだなって思いながら読んだりしますね。「ふわりふらりと 君は流れる時間とともに どこかに行ってしまうんじゃないかな」という歌詞なんかは、可愛いなと思いました。

髙田 高校1年生の時に百人一首をテーマにして曲を作れるというのは、やっぱりすごいですよね。全てに意味が通っているからこそ、歌詞の一つ一つを色々な感情で捉えられるっていうか、ただの恋愛ソングだけじゃなく聴ける魅力があるので。さすが小説も書かれている田中さんだなって。

田中 今ちょっといじってましたね(笑)。

――待望の音源化ということで喜ばれている方が多いと思います。「コトノハ」に関しては、M!LKに楽曲提供した時点で巣立っていった曲、という感覚だったのでしょうか?

田中 そうですね。M!LKのみんなが歌うことを考えて作っているので、自分たちで歌うというのは本当に不思議な感覚です。レコーディングも今までに感じなかった緊張感がありました。

髙田 M!LK側もぜひ!と言ってくれたこともあり、初めての楽曲提供させていただいた曲なので、自分達でも一回歌っておきたいなという気持ちでした。

田中 歌ってみたら自分で作ったメロディーなのに、なんか全然知らない様な感覚でした。思ったよりもメロディーが難しくて、M!LKさんにはちょっと申し訳なかったなと思いつつ(笑)。

髙田 メンバーの人数の違いもあるかもしれませんけど、忙しなくて本当に難しかったです。