剛力彩芽さんは、いつも明るく笑っている素敵な方
――映画『女子大小路の名探偵』は、秦建日子さんがご自身の小説を自ら脚本化したミステリー作品で、醍醐さんは私立探偵の大夏を演じています。初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。
醍醐虎汰朗(以下、醍醐) まずタイトルと違って、大夏は名探偵じゃないんだと(笑)。様々な伏線があって、推理しながら謎を読み解くことができたので、読んでいて楽しかったです。
――大夏にはどんな印象を持ちましたか。
醍醐 ビビりでお調子者だけど、真っ直ぐでピュアなキャラクターなので、多面的な魅力を感じました。演じる上では、お姉ちゃんといるときと、他の人物といるときの差みたいなものは、できる限りあったほうが面白いかなと。基本的に周りを引っ張るというよりは、流されるタイプだと思ったので、現場で感じたままにやってみようというスタンスで撮影に臨みました。
――撮影期間は2週間ほどだったそうですが、そのタイトさが作品の心地よいテンポ感に繋がっているなと感じました。
醍醐 確かにそうですね。スケジュールはギュッとしていましたけど、その分集中して取り組めましたし、全体のチーム感も素晴らしくて、居心地が良かったです。
――オール名古屋・岐阜ロケだったそうですが、街並みが演技に影響する部分はありましたか。
醍醐 実際にある場所をお借りしたので、現実性が増すというか、そこにいれば成立するところもあって。そういう環境下に身を置けたのがありがたかったですし、街並みを見て演じるのと、見ないで演じるのでは全然違うと思うので、すーっと世界に入り込むことができました。岐阜は行くこと自体が初めてで、風情があって、素敵な建物ばかりで、タイムスリップしたような感覚がありました。映画の内容と違って、すごくリラックスした現場だったんですけど、それはロケーションが壮大で、心にゆとりを持ちながらいられたからだと思います。
――大夏の姉・美桜を演じた剛力彩芽さんの印象はいかがでしたか。
醍醐 今回が初めましてだったんですけど、本読みの段階からシーンごとに監督と積極的に話し合いをなさっていて、ものすごく綿密に準備をされる方だなと思いました。現場では、いつも明るく笑っている素敵な方だなという印象で。美桜は喧嘩っ早くて口が悪いというキャラクターで、いつも弟に対しては厳しいので、剛力さん本人とのギャップがあって。切り替えがすごく上手でした。
――松岡達矢監督はどんな方でしたか。
醍醐 優しい目をされていて、常に柔らかい印象で、とても話しやすかったです。役者側の提案も聞いてくれた上でディレクションをしてくださるので、一緒に作っているなと感じることができました。
――完成した作品を観て、どんな印象を受けましたか。
醍醐 一つひとつのセリフや行動に意味があって、ちょっと気を抜いてしまうと分からなくなる部分もあるので、最後まで結末が分からないドキドキ感も相まって、のめり込んで観ることができました。