『ラスト17デー』の撮影期間は青春を感じた

――それぞれの印象を教えてください。まずは高梨さんについて。

石川 初めて会ったときに人見知りだなと感じたので、仲良くなれるまでは、どんな子なのか全然分からないなと。でも今回の映画で心を開いてくれて、しゃべってくれるようになってからは、意外とボケたりとか、抜けているところがあったりして、面白いんですよね。それでいて、私はこうなりたいとか、私はこれが好きとか、自分の色を濃く持っているんです。撮影中は主演としての不安やプレッシャーもあっただろうに、全然弱音を吐かずに、みんなを引っ張ってくれていて、シンプルにかっこよかったです。映画がクランクアップして、優佳ちゃんに会えない日々に戻ると、ぽっかり穴が開いたような気分で。それだけ優佳ちゃんの主演としての存在が大きかったんだなと痛感しました。

木村 撮影現場で、待ち時間の間とかも人とコミュニケーションを取っている姿が印象的で、場を和ませているイメージが強いです。主演で覚えることが多い上に、過密スケジュールだったんですけど、大変なのを表に出さないで、みんなと接していてすごいなと思いました。

――木村さんについてはいかがですか。

高梨 最初はすごいクールだったんです。本読みのときも、しゃべらない人なんだろうなと思ったんですけど、ちょっとしたときに、天然なところや、面白い部分が垣間見えるんですよ。実際、撮影に入るとお調子者なところなど、素の部分も出してくれて。くるみと直樹は幼馴染みという関係性だったので、素の魁希くんを知っているからこそ、役に入りやすかったです。

石川 以前、お仕事でご一緒したときは全く接点がなくて、しゃべる機会もなかったので、クールで無口で王子様キャラ的なイメージだったんです。ところが今回ご一緒したら、めちゃめちゃ美味しいところで笑いを投下するんですよ。会話にガンガン入ってくるわけじゃないのに、さりげない一言が面白くて、それでみんなもどっと笑うんです。狙っていないムードメーカー感があって、周りに人が勝手に集まってくる無邪気な主人公タイプでした。

――最後は石川さんについて。

高梨 芸能活動を始めてから、たくさんのインフルエンサーやタレントさんとお会いしましたけど、ダントツで翔鈴ちゃんはしっかりしているし、発言力もあって、年下とは思えないです。初めてYouTubeチャンネルで一緒にお仕事をしたときから、「この子すごい!」と思って。尊敬もあるし、ちょっとライバル視もあったんですけど、今回の映画でご一緒して、改めて翔鈴ちゃんのすごさを感じましたし、たくさんの刺激をもらいました。クランクアップしてから、みんなでちょっとだけ打ち上げをしたんですけど、そのときに私がプレッシャーから解放されたことで、感情が高ぶって泣いちゃったんです。そしたら翔鈴ちゃんが、ずっと気にかけてくれて、解散してからも連絡をくれて。お仕事の面でも素晴らしいですけど、人としても尊敬できる人ですね。

――大絶賛ですね。

石川 今の優佳ちゃんの言葉は全部載せてください!この録音データをもらいたいぐらい(笑)。

――木村さんから見て、石川さんはいかがですか?

木村 僕のコメントいります?(笑)。前々から翔鈴のことを知ってはいたけど、本当に顔見知り程度で、特別話すこともなかったんです。でも今回の映画で撮影期間をみっちり過ごして、改めてしっかりした子だなと感じました。今回の撮影は、ずっと和気あいあいとしていてアットホームだったので、すごく場にいやすかったんですけど、その空気感を作っていたのが翔鈴であり、優佳ちゃんであり、本当に青春を感じた現場でしたね。

――最後に映画の見どころを主演の高梨さんからお聞かせください。

高梨 17歳から18歳になる時期に、くるみがバースデーブルーを抱えて、「何も自分はしていない。どうしよう……」って悩んでいるときに、いろんな人の手助けもあって、ポジティブに変わっていきます。そうしたくるみの葛藤は、学生に限らず、どの年代の方にも共感していただけると思います。また直樹がSNSで自分の言ったことではない情報が発信されてしまうという現代のリアルも描かれているので、SNSとの付き合い方に悩んでいる方にも観ていただきたいです。

Information

映画『ラスト17デー』
2023年12月15日よりAmazon Prime Videoをはじめ、デジタル配信を順次スタート。

【出演】高梨優佳 木村魁希 石川翔鈴 吉田翔 齊藤英里
【監督】片山拓 【脚本】浅田佳子

1週間後、18歳になる高校3年生、細谷くるみ(高梨優佳)。17歳の最後に、踏切を渡る老女を助け、一躍有名になった幼馴染の橘直樹(木村魁希)を、きっかけに17歳のうちに輝きたいと空回りする青春学園映画。

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高梨優佳

2001年7月21日生まれ。福岡県出身。SNSの発信で注目を集め、Z世代を中心に圧倒的な支持を集める。俳優として数多くのドラマに出演する一方で、モデルとしても活躍。『JELLY』の専属モデルも務める。

木村魁希

2001年5月16日生まれ。茨城県出身。俳優。2023年7月、若手俳優育成プロジェクト「真夜中の推し活 S/TEAM BLOOD」のオーディションに合格し、7人組ボーイズグループ「S/TEAM BLOOD」のメンバーとしても活動。

石川翔鈴

2003年3月28日生まれ。北海道出身。6歳より俳優活動を始める。2019年、青春恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』(AbemaTV)のグアム編に出演して脚光を浴びる。ドラマ、映画、舞台、バラエティなど、活動は多岐に渡る。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI