全員で言葉を紡いだ「ODDLORE CYPHER」のリリックからにじむ“6人”の個性
――初のセルフプロデュース作品「ODDLORE CYPHER」のリリックにどんな思いを込めたか、楽曲内で披露する順番でそれぞれ伺いたいです。
KOYA メンバーを描くために、グループ名や「六者六様」のようなフレーズを入れました。作詞前に順番は決まっていて、リーダーだしトップバッターだから、前半では自分を、後半ではグループ全体を描いています。「O・D・D・L・O・R・E」のフレーズは、素直に「僕らの名前って覚えづらいよなぁ…」と感じていたし、歌詞として覚えてもらいたかったので、試行錯誤の末に入れました。
JOSH 作詞のスタート時点で「自分の話なら何でもいい」というテーマがあったので、KOYAとは違い、グループにはふれず自分だけのリリックを作ったんです。強い曲調ですし、(己の強さを誇示する)ボースティング要素を多めに、小節の締めでは「治める電波上の天下」とシンプルに心地よいリズムで攻めようと思って、フレーズを組みました。自我が強いから(笑)。強い自我、人に勝ちたい欲望を混ぜたブロックになっています。
YUI 意識したのは「自分が変わらないと終わってしまう」というテーマでした。僕と同じようにどう変わればいいか分からず、望む方向にも変われずにあがいているような人に対して、「俺も終わるし、お前も終わるよ?」と伝えるため、「心音途絶えて」「声は枯れて」のようなフレーズを作りました。でも、ワンマンライブで披露したら意識が変わったんです。変わるために今「何が不満で、何を望んでいるか」が見えてきました。
RIKITO 自分のルーツを詰め込んでいます。冒頭「礼に始まり礼に終わる」のフレーズは、小学校時代に習った極真空手の格言です。僕は“5カ国の血”が入っているので「五つ星」のフレーズを考えて、混血を“ハーフ”と呼ぶのは捉え方次第でヘイトでもあるので「ハーフって何?勝手に半分にしんといて」と、幼少期を過ごした石川県の方言を使って疑問を投げかけました。「満天御礼」のフレーズは造語で、「五つ星」からイメージをふくらませて、ライブ会場を埋めるグループの目標に結び付けています。
RYUICHIRO それも含めて、低身長で「俺はチビそれでもいい」と前面に出しつつ、それすらも受け入れた上でカッコよく見える自分でいたいし、最後は気持ちが伝わればと思いリリックを考えました。印象のよくない「タバコ」や「酒」のフレーズを入れたのも、分かりやすくギャップを出したかったからです。考えずに引っかかるワードを、選んでいます。
RION KOYAが言った通り作詞の順番が決まっていて、僕が最後になるし、それぞれとがったフレーズを並べてくると思ったので、自分を伝えつつきれいに締めようと考えました。「Oddな」「目つき」のフレーズは、とがった僕らを表現しています。ワンマンライブでの初パフォーマンスを軸に考えたとき、ファンのみなさんに対して“俺たちもまだ売れてないけど、絶対に売れるから”と伝えられるよう、序盤では「誰もこぼさんこの俺がメサイヤ」と、救世主としてアピールして。「石の上三年B1 to 3WX」は、“レッスンで使うB1(地下1階)のスタジオ”からワンマンライブの会場“WWW X”に行ったのがモチーフです。僕含めて西日本出身メンバーが多く、東京で揃った今、逆に西を攻めたいとも思うので「East sideからWest side」で決意を示しています。
――全員でのダンスパートは、KOYAさんとRIONさんが、担当を半々に分けて作ったと聞きました。
KOYA 作詞と同じく、デビュー前にダンスを作るレッスンはあったんですけど、人前で見られるプレッシャーはありました。加入前にダンス経験のないメンバーしかいないし、ダンス経験のあるお客さんにどう見られるのかと不安もあったし。振付師の方に作ってもらうダンスではなく、ひよっこの僕らが作るダンスがどう評価されるのかという不安もありました。でも、僕個人では楽しさが勝っていて、それすらも楽しんでいたと思います(笑)。感覚で踊るタイプだから、他のメンバーに教える苦労はありました。
RION 僕らより、振り付けをもらった4人の方が苦戦していたと思います。作りながらの葛藤もあり、ゼロからダンスを経験した中での「成長スピードが速いグループ」と示したかったんです。挑戦的な動きも入れたけど、プロのダンサーさんですら難しい振り付けを入れるとメンバーもとまどうだろうし、ギリギリを攻めながら作りました。