歌詞は意味よりも響きを重視している

――曲作りを始めたのはいつ頃ですか?

peanut butters 高校を卒業してデザイン系の専門学校に通っていたんですが、どんどんiPhoneのアプリが充実して、「Logic」や「GarageBand」などで曲も作れるので、自分でも作り始めました。その後、パソコンのLogicに移行して。グラフィックや絵を描くのが好きだったし、ずっとネットで曲を調べていたので、日常的にパソコンには触れていたんですよね。

――宅録にはどっぷりハマったんですか。

peanut butters 操作方法が難しいので、ギターと同じでやめたり再開したりを繰り返していました。あと自分で歌うのが嫌で、初音ミクも買ったんですけど、やっぱり難しいからやめちゃったんですが(笑)、24歳のときに初めて曲を完成させることができたんです。

――何かきっかけがあったんですか?

peanut butters の子さん(神聖かまってちゃん)の配信を見ていたら、「どうやって曲を作るんですか」という質問に対して、「そんなの適当に携帯で録音して、それを基に作っている」みたいなコメントをしていて。それだったら自分も作れるなと思ったんですよね。ずっと25歳までに曲を世に出したいという気持ちがあったんですが、ギリギリで曲が完成して。当時はSoundCloudが流行っていたので、そこに初めて音源を出してみたら、大阪の「HOLIDAY! RECORDS」さんが取り上げてくださったんです。それで2019年7月に初音源の『Peanut Butter』を一人で、宅録で作ってリリースしました。その後もSoundCloudにポンポン曲を上げていたんですが、今回リリースした『peanut butters II』に収録している「スーパーハイパー忍者手裏剣 (DEMO)」を上げたときに、今お世話になっているUK.PROJECTの方から連絡があったんです。

――急展開ですね!

peanut butters 「いつかUK.PROJECTのイベントに出てもらえますか」というお話しだったんですが、「これはヤバい!POLYSICSのいるところじゃないか」と。でも東京には知り合いもいなかったので、慌ててネットでバンドメンバーを募集して、いいなと思っていたヴォーカルの方にも声をかけて。何とかバンドの形を作ってイベントに出たんですが、あまりライブの出来が良くなくて……。そんなときにコロナ禍になって、UK.PROJECTが配信に力を入れてこうということで「highlight」という新レーベルを作ったので、その第一弾アーティストとしてデビューシングル「びーちQ」をリリースして、今に至るみたいな。

――コロナ禍という状況が密接に関わっているんですね。どういう風に曲作りをしているんですか。

peanut butters 毎日、趣味の延長みたいな感じでボイスメモに適当な感じでメロディーを録っているんですが、そこからいいものをピックアップして、パソコンに入れてアレンジしていきます。

――ユニークな言葉選びが印象的ですが、あまり歌詞の内容にこだわりがないそうですね。

peanut butters アレンジまで全部作ってから、最後に歌詞を書くので優先度は低いです。適当に歌ったときの語感や発音に合わせて歌詞を書いていくので、あまり意味はないというか、特にこだわりはありません。そもそも僕自身、歌詞も読まないですから。歌詞の意味というよりは響きを重視しているので、そこは意識をしています。