相手役を聞いたときに「二人ともビジュアルが濃すぎないか?」と思った

――「好きやねんけどどうやろか」の出演が決まったときのお気持ちからお聞かせください。

簡秀吉(以下、簡) 僕自身、BL作品を見るのが好きなので、わくわくしました。ずっとBL作品をやりたくて、それをマネージャーさんに伝えた直後ぐらいに今回のお話があったので、運命なのかなと思いました。

西山潤(以下、西山) 僕もBL作品に出演するのは初めてなのですが、仲の良い俳優友達で出演している人がたくさんいるので、見る機会は多くて。いつか自分にもオファーが来るのかなと思っていたら、マネージャーさんから今回のお話を聞いて、とうとう来たかと楽しみな気持ちが大きかったです。BL作品にもいろんな種類があると思いますが、僕が演じる曽我くんは同性が恋愛対象外なところから始まるので、素直に役に入れそうだなと思いました。

――初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

西山 BLの要素だけを取り込んでいるわけじゃなくて、曽我と栄枝はもちろん、二人を取り巻くキャラクターの人間模様や心情も丁寧に描かれていて、一歩一歩、前に進んでいく姿が素敵で入り込みやすかったです。

簡 コメディ要素もありつつ、しっかりと人間ドラマもあって、その中に僕が演じる栄枝と曽我くんのもどかしい恋愛ストーリーが描かれていたので、読みながらにやけていました(笑)。僕は関西出身で、栄枝も関西弁なので、ここの言い回しは自然にできるなとか役作りのことを考えるのも楽しかったです。

――簡さんは京都出身ですが、栄枝は大阪なので、もっとコテコテの関西弁ですよね。

簡 そうですね。コテコテの関西弁を使う関西人YouTuberの動画を参考にしました。

――曽我くんは東京から大阪に転勤してきたサラリーマンです。

西山 ほぼ関西人に囲まれるという新しい環境に曽我くんが構えていたように、僕自身も関西ならではの空気感に馴染めるのかどうかドキドキしましたし、それは役にもリンクするのかなと思いました。

――お互いにW主演の相手を聞いたときは、どう思いましたか?

簡 ちょうど西山さんが出演した映画『20世紀少年』を見返していたんですよ。その直後に今回のお話があったので、「嘘やろ?」と思って。家に盗聴器でも仕掛けているんじゃないかと疑ったぐらいタイムリーでしたし、めちゃくちゃうれしかったです。

西山 相手が簡くんと聞いたときは、「二人ともビジュアルが濃すぎないか?」って思いました(笑)。そもそも原作コミックのビジュアルを見たとき、曽我くんはメガネの塩顔で消極的な性格だったので、僕が栄枝を演じると思ったんです。これまで僕がやってきた役も、陽気なキャラクターが多かったので。ただ台本を読むと、曽我くんは本当に魅力的なキャラクターなので、上手く自分に落とし込んでいきたいです。

――今回が初共演とのことですが、お互いの第一印象を教えてください。

簡 めちゃくちゃ優しいお兄ちゃんです。顔の濃さも似ていますしね(笑)。年齢もそうですが、役者としても大先輩なので、胸を借りるつもりでやっていきたいです。

西山 最初の本読みでお話ししたときに思ったのが、すごく素直でまっすぐな子だなって。あと、めちゃめちゃ天然なところもあって、僕としてもすでに弟のようです。