共に活動する妹の力も借りた作詞曲は「おとぎ話」のような世界観に

――おおしましゅん名義では初となる作詞も手がけた配信曲『絶対プリンセス』に込めた思いは?

おおしましゅん(以下、しゅん) 女性目線で「モチベーションが上がる、とにかく可愛い曲」を意識しました。aikoさん、Perfumeさんといった好きなアーティストさんに影響を受けていて、よく聴く曲も女性目線が多いんです。元々、趣味の範囲では歌詞やポエムも書いていて、iPhoneのメモアプリに書き溜めていました。

――作詞の経験はあったんですね。

しゅん ひたすら2018年頃から書き続けていました。中学と高校の国語の教員免許を持っているのですが「言葉」が好きなんです。他のアーティストさんの歌詞を見て「こういう言い回しをするんだ」とか「この言葉で愛を伝えているんだ」とか、分析もしています。

――初めて世に出すために書いた歌詞には、書き溜めていた内容も反映されたんですか?

しゅん いえ、ゼロから書きました。以前から「鏡よ鏡」と問いかける、おとぎ話のような歌詞を作ってみたかったんです。こういったモチーフの曲がTikTokでもバズっていたのもあり、自分で書いたらどうなるか試してみたくて。HoneyWorksさんからいただいたデモ楽曲のメロディに当てはめてみたらピタリとハマったので「このテイストで書き進めよう!」となりました。

――作詞の過程では、共に活動する妹のさくらさんにもアドバイスを求めたのでしょうか?

しゅん 1番でメイク工程を<その1>から<その6>に分けて歌うブロックは、相談しました。例えば、<その1:下地を馴染ませ>のフレーズは「ベースと下地のどっちがいい?」と聞いて、「塗るがいいか、馴染ませるがいいか」とも尋ねたり。

――TikTokではレコーディング本番前後の様子も、公開していましたよね。現場には、のどをケアするためにハチミツを持参されて。

しゅん ちょっとプロ意識が芽生えて、本番当日まではのどをケアするためにマスクもして、自分は「ボーカリストだ!」と意識をすり込んでいました(笑)。レコーディング後に後悔したくなかったし、ベストな状態で挑みました。

――TikTokやYouTubeで「歌ってみた」動画も積極的にアップしていますが、違いはありましたか?

しゅん 自宅での撮影では自分しかいないし、好きな箇所だけ切り取って納得すれば完成ですが、プロのスタッフさんに囲まれてのレコーディングは緊張感がありました。スタジオでは「もうちょっと明るく歌ってみよう」とか「言葉の間に小さい『っ』を入れてみよう」とか、上手に歌うためのコツを教えてくださって、大きな発見でしたし成長できました。