目標にしていたダンスコンテストで全国3位に
――キャリアについてお伺いします。小学生の頃はダンスに打ち込んでいたんですよね。
萩原 小学3年生から小学校を卒業するまでヒップホップをやっていました。小さい頃から家で踊るのが大好きで、親がダンススクールに通わせてくれたんですが、めちゃめちゃ打ち込んでいました。スクールの先生が、「とにかく体力勝負だ！」という方で、ダンスレッスンの他に、体力をつけることがキレに繋がるからと10キロ走って、筋トレもするという毎日を送っていました。
――どうして、そこまでダンスにハマったのでしょうか。
萩原 もちろん踊ることが好きというのが第一ですが、がむしゃらだったし、ダンス以外のことにあまり興味もなかったので、コンテスト優勝に向けて、打ち込むしかないという状態でした。
――早くからコンテストで結果を出していたんですか。
萩原 そうですね。もともと実績のあるスクールで、教えている先生も界隈では有名な方でした。
――特に目標にしていたコンテストはあったんですか。
萩原 「ALL JAPAN SUPER KIDS DANCE CONTEST」が一番の目標でした。小学校の部と中学校の部に分かれていて、チーム戦なんです。小学6年生のときに全国３位になりました。
――それはすごい！全国大会の会場はどこだったんですか？
萩原 TOKYO DOME CITY HALLです。ただ全国で３位になったことでやりきったという感覚があって、そこでダンスをやめてしまうんです。中学生になっても続けることはできたんですが、そこまでの気力がなくなったというか。ダンスに打ち込んでいる周りの人たちを見ていると、同じ熱量で自分はやれないと思ったんです。
――芸能の世界には、どういう経緯で入ったんですか。
萩原 小学5年生のときにスカウトを受けて、今の事務所に入りました。正直、僕は拒んでいたんですけど、家族に「ちゃんとした事務所さんだし、このチャンスを逃さないほうがいい」と説得されました（笑）。当時はダンスに打ち込んでいたので、お芝居に興味を持てなかったんです。何度かレッスンには参加したんですが、小学生の間は事務所に所属していただけでした。
――ダンスを辞めて、学校以外は何をすることが多かったんですか。
萩原 部活も入らなかったですし、他にやることもなかったので、何か趣味を見つけたいなと考えて。もともと家族でDVDを借りて映画を観る習慣があったので、だったら一人で映画館に行ってみようかなと思ったらハマって。中学時代の3年間は暇さえあれば映画館で映画を観ていました。休日は映画館をはしごして映画を観て、友達から引かれていました（笑）。
――よく行く映画館はどこだったんですか？
萩原 せっかく一人で行くなら、シネコンよりも、行ったことのない場所に行こうという感じで、ユーロスペースやアップリンク吉祥寺など、単館系の映画館に行くことが多くて。そうするとアート系の映画を観る機会が増えて、当時観た作品だとアレハンドロ・ホドロフスキー監督の『リアリティのダンス』が記憶に残っていますね。
――基本は洋画派？
萩原 邦画も観ていました。印象に残っている作品だと是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』（16）。あと黒沢清監督の作品が大好きで、新作はもちろん、『蛇の道』（98）や『蜘蛛の瞳』（98）、Vシネマの『復讐』シリーズ（97）など、過去の作品も観ました。
