ももいろクローバーZ、そして、YOASOBIとの出会い
――プロとしての活動はいつ頃、どんなきっかけで始まったのですか?
やまもと どこからをプロと言っていいのかは分からないですけど、明らかに、プロとしてのお仕事をさせていただいたなって思っているのは、「しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のももいろフォーク村 NEXT」(CS放送フジテレビNEXT)に呼んでいただいたタイミングで、2019年7月頃だったと思います。THE ALFEEの坂崎さんがYouTubeの私の演奏動画を見て、「この子を呼んでみたら面白いんじゃない?」って、プロデューサーのきくち伸さんに言って、それで、きくちさんから連絡を頂いて…っていう感じでした。
――その頃、演奏動画をアップしていたのはどんな狙いというか、考えからだったんですか?
やまもと 動画の活動を始める直前までは、バンド活動をしていたんですけど、そのバンドが解散してしまって…。高校の軽音部で組んだバンドとかも合わせると3つ目のバンドだったんです。で、バンドはまたやりたいけど、もう解散はしたくないと思って、メンバー選びにも慎重になっていて、自分でライブハウスに足を運んで探したりもしていたんですけど、今の自分を証明出来るものが何もないなと思って、自分の名刺代わりに使えるようなコンテンツとして、動画を始めました。
――なるほど。それで、坂崎さんとの出会いがあって、そこからDMB(ダウンタウンももクロバンド)へと繋がっていったんですね。
やまもと フォーク村もDMBも音楽監督がピアニスト・キーボーディストの宗本康兵さんだったので、宗本さんから声をかけていただきました。
――プロのベーシストとしての最初のライブはももクロだったわけですね。
やまもと 2019年9月6日の「黒フェス」(松崎しげる主催のロックフェス)でした。で、その年の秋フェスすべてに同行させていただいたんです。ももクロのバンドメンバーがすごいっていうのは昔から知っていました。バンドをやっていた頃、当時のメンバーと一緒にロッキン(ROCK IN JAPAN FES.)に行って、ももクロのステージも見ていましたし、あと、私のお父さんがサックスの竹上良成さんと一緒にお仕事していたこともあったりしたので、まさか、自分がももクロバンドに入れるなんて思ってもいなかったです。当時は、他のメンバーの皆さんについていこうと必死で、がむしゃらにやっていました。
――ひかるさんにとって、ももクロの4人はどんな存在ですか?
やまもと 「尊敬する人は?」って聞かれた時にパッと思いつくのがももクロちゃんなんです。歳が近いこともあって、すごくフランクに友達みたいなテンションで喋らせてくれるんですけど、でも、一緒にステージに立ったり、リハーサルしたりしている姿を見ていて、本当にプロだなって思いますし、お仕事させていただくにあたって、まわりの人への接し方だったり一つ一つのお仕事への向き合い方も含めて、こういう人になりたいなって思う存在です。
――では、ひかるさんを語る上で欠かせない、もう1組のアーティストYOASOBIについても教えてください。YOASOBIに関わるようになったのは、いつ頃、どんなきっかけで?
やまもと YOASOBIがバンドという形で、ライブやテレビでパフォーマンスするようになった初期から、一緒にやらせていただいています。バンドメンバーをゼロから探すってなった時に、コンポーザーのAyaseがメンバーを集めたんですけど、私以外のメンバーはAyaseのバンドマン時代の繋がりで呼んでいて、でも、ベースだけ心当たりがなかったみたいなんです。あと、男女比は一緒にしたい、女の子だったらコーラスが出来る方がいい、という感じで探していた時に、ちょうど、私がソロ活動でキタニタツヤさんに曲を提供していただいたタイミングで、キタニさんの「やまもとひかるに曲を提供しました」っていうツイートを、Ayaseがたまたま見ていたみたいで、歌いながらベース弾く女の子がいたぞと。で、ボーカルのikuraとも歳が近いし、調べてみたらたまたま同じ事務所じゃないかっていうことで(笑)、話もスムーズに進んでいった感じです。
――これまで、フェスのメインステージや武道館や東京ドーム、紅白歌合戦…色々なステージに立って来たと思いますが、最も忘れられないステージは何ですか?
やまもと 本当にたくさんあるんですけど、個人的な思いで言うと、2022年のロッキンです。その年は、トップバッターがももクロちゃんで、トリがYOASOBIでした。お客さんとして観に行っていた頃、その当時のアカウントで「いつかここでベースを弾きたい!」みたいなことを言っていたんですよね。だから、その舞台に立つことができて、しかも、メインステージでトップバッターとトリのステージで、自分がベースを務めさせてもらったっていうのは、色々なものが繋がった感じもあって、忘れられないステージです。