舞台は本番よりも稽古中のほうが大変

――清水さんは韓国ドラマ鑑賞や読書がお好きだそうですが、どんなときに楽しむことが多いんですか。

清水 稽古期間中はセリフを覚えなきゃいけないので、あまり読書はしないんですが、公演期間は読み込む作業もないので、空いた時間に本を読むことが多いです。韓国ドラマに関しては、全話配信している作品だと一気見しちゃうので、稽古期間中の今は毎週新作が配信される作品だけ観ています。

――公演期間中に読書をするのは意外です。

清水 稽古中よりも本番が大変と思われがちですけど、個人的には創作過程というのもあって、稽古中のほうが大変なんです。本番は舞台上で考えることもたくさんありますけど、楽しむがメインなんですよね。本番のほうが気持ちの余裕もあるので、そういうときに本を読むことが多いです。

――稽古中は、舞台のことしか考えないぐらいの状態なんですか?

清水 役にもよりますが、今回の『東京輪舞』は考えることが多いですね。

――二人芝居だと稽古の雰囲気もいつもとは違いますか。

清水 役者が二人しかいない稽古場が初めてなので、ずっと出番というのが新鮮です。いつもの舞台だと座って誰かの芝居を見ているだけの時間もあります。でも今回は、誰かの芝居を見ている時間がないので、単純に疲れます(笑)。

――本番で楽しみにしていることは何ですか?

清水 もちろん髙木さんとのお芝居はワクワクしますが、杉原さんが手がける演出や美術がいつも素敵なので、場面転換も含めて、すごく楽しみです。

――『東京輪舞』はチラシビジュアルも、ティザーの映像もおしゃれですよね。

清水 素敵ですよね。でも撮影は、すごく恥ずかしかったんですよ(笑)。髙木さんと初めましての日だったのに、いきなり手を繋いで向かい合って、ゆっくり、くるくると回るんです。カメラマンさんから「これは素敵になりますよ!」って声をかけられるんですけど、「この時間は何だろう……」と(笑)。素敵に仕上がったので、やった甲斐がありました。

――清水さんは昨年、『親友は悪女』で連続ドラマ初主演を飾りましたが、今回のような舞台とは意識も違いますか。

清水 全然違います。舞台のほうが、肩が凝らないですね。舞台の稽古は、演出家さんや共演者に見られていますけど、撮影をしている訳ではないし、リラックスした状態で体を動かしながら稽古ができるので、本番でもリラックスした状態で芝居ができる感覚なんです。でも映像って、たとえばダンスをする役とかじゃない限り、そんなに役者は動かず、カメラのほうが動くじゃないですか。本番でも一瞬一瞬が映像として残るから、緊張するし、硬くなるところがあります。映像はたくさんの方に観てもらえるのが魅力ですね。今回、朝ドラに出演したいという夢が叶って、『ブギウギ』に出演したんですが、たくさんの反響をいただいて、その魅力を再確認しました。もちろん今後も舞台に立っていきたいですが、映像もたくさんやりたいので、場数を踏んでいきたいですね。