映画界の性加害問題は決して自分と無関係ではないと感じた

――『ブルーイマジン』は性被害、DV、ハラスメントに苦しむ女性たちが集うシェアハウス“ブルーイマジン”を舞台にした映画です。現実に日本映画界でも最近、こうした問題が表面化していますが、オファーがあったときのお気持ちはいかがでしたか。

新谷ゆづみ(以下、新谷) 過去にもこういう問題に触れる作品はありましたが、ここまで正面から取り上げた作品は初めてだと思うので、すごいことだなと思いました。

川床明日香(以下、川床) 正直、今回のお話をいただくまで、性加害の問題が身近にあるものだと思っていませんでした。『ブルーイマジン』は映画界のお話でもあるので、決して自分と無関係の問題ではないなと。主人公の乃愛(のえる)を始め、被害を受けた女性を中心に立ち向かっていく姿が描かれていると聞いて、ぜひ参加したいと思いました。

――初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

新谷 ストーリーが本当にリアルで、一歩間違えたら誰が被害に遭ってもおかしくないような状況が身近にあることに恐怖を感じました。映画業界に限らず、いろんなところで起きうる問題で、登場人物それぞれの視点から台本を読んでみると、光と闇が入り混じっていて複雑な気持ちになりました。

川床 “ブルーイマジン”という頼れる場所があることが本当に救いだったんだなと感じましたし、身近で被害に遭った方がいたときは、私が演じた佳代のように支えたいなと思いました。

――演じた役柄の印象はいかがでしたか。

新谷 私が演じた凛は、一生懸命夢に向かって頑張っている最中に心に傷を負ってしまいます。“ブルーイマジン”の人たちに打ち明けるところから始まって、自分で戦いたいという気持ちが芽生えて、女性同士で団結して戦う。ただ泣き寝入りして終わるのではなく、自分の力で立ち向かっていくところまで描かれていたのが救いに感じました。凛を演じていく中で自分自身も成長したように感じました。

川床 佳代自身は被害に遭った経験がないので、乃愛や凛が負った傷を分かりたい、でもすべてを分かり合うことはできないという葛藤があって。私自身の中にも、同じ葛藤が生まれたので、その気持ちを大切に演じようと思いました。

――海外の俳優さんも出演していますが、印象的なシーンなどはありましたか。

川床 エンドロールで“ブルーイマジン”のみんなで食事をするシーンがあって、スタッフの方がフィリピン料理を作ってくださったんですが、「アドボ」というフィリピンの家庭料理が美味しくて、その場の雰囲気も楽しかったです

新谷 アドボ、とっても美味しかった!

――完成した作品を観て、どう感じましたか。

新谷 正直、観るのもしんどかったんですが、最後に強くなれた乃愛や凛の姿が救いでしたし、一筋の光も見えて、みんな頑張って良かったねと思いました。

川床 佳代は被害を受けた子たちと全てを分かりえない葛藤がありながら、“ブルーイマジン”という存在があったからこそ、一緒に戦うことができて、怒りや悔しさを昇華できたんだなと思いました。

――お二人は今まで共演経験はあったんですか。

新谷 映像作品は今回が初めてだよね?

川床 そうだね。中学生のときにイベントのファッションショーで一緒になったことがあって。実は知り合って長いんです。

新谷 同じ時期に事務所に入ったんですけど、お互いに小学生でした。

川床 2014年だから二人とも事務所に入って10年!初めて受けたお芝居とダンスのレッスンも一緒だったんです。ゆづみちゃんは覚えてないみたいなんですけど(笑)。

新谷 記憶にないんですよね……(笑)。

――逆によく川床さんは覚えていますね。

川床 レッスンの後、バスで品川まで送ってもらったんですけど、そのときも一緒で。

新谷 それは何となく覚えている。

川床 お互いに地方から通っていたからね。

新谷 東京に来たときに泊まる寮も一緒になることがあったよね。

川床 合宿も一緒だったよね?

新谷 私は中学2年生のときに参加した。

川床 じゃあ一緒だ。その当時、夏休みになると2泊3日の合宿があって、集中してお芝居の勉強をするんです。その合宿に備えて、2か月前から練習がありました。

新谷 合宿怖かったなぁ……。

川床 本気で臨みましたし、すごく良い経験になりました。

――昔から身近な存在だったんですね。

川床 顔を合わせる機会は多かったです。

新谷 そう考えると長年の仲だね。

川床 寮にいたから、顔を合わせるのが当たり前で。だから今回の初共演もあんまり特別な感じはしなかった(笑)。

新谷 確かに(笑)。でも中学生のとき、先生に怒られながら一生懸命レッスンを頑張っていた仲間と、こうして映像作品で共演できているのは感慨深いですね。