高校２年生のときに受けた「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞
――市川さんは2008年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞して芸能界入りしますが、どういうきっかけで受けようと思ったのでしょうか。
市川知宏（以下、市川） もともとドラマを見るのは好きだったんですけど、自分が出る側になろうと思ったことは一度もなくて。当時、高校２年生だったんですけど、クラスメイトが「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の受付をやっていて、応募しなよと勧められたんです。そもそも僕は人前に出るのが恥ずかしいタイプだったので断ったら、男子校だったんですけど、「クラス全員で受けようぜ」という話になって。それなら落ちても誰かが受かっても面白そうだなと思って、翌日クラスで話したら、「嫌だ」と。言い出しっぺは僕も含めて３人だったんですけど、「だったら、お前ら３人が応募しろよ」と言われて、3人だったらいいやと思って勢いで応募したんです。そしたらグランプリをいただいて、事務所に入って、お芝居のレッスンも始まって、というのがきっかけです。友達の誘いがなければ、この世界に入っていなかったと思います。
――友達はどこまで残ったんですか？
市川 二人とも書類で落ちちゃいました。ただクラス全員で応援してくれて、トロフィーをもらった翌日、学校に持っていって見せたら、すごく盛り上がりました。
――オーディションで印象に残っていることは何ですか？
市川 最終選考で手品をやったんですけど全部失敗して。でも僕は失敗したことに気づいてなくて、満面の笑みでやっていたんです。ここまで来たら楽しもうと思ってやっていたら、「失敗しても、めっちゃ笑ってるね」みたいな（笑）。恥ずかしがり屋なのに、そういう度胸はあるほうなんですよね。
――どういうところが評価されたと自己分析しますか？
市川 僕は学校でも地味なタイプで、東京生まれなんですけど、東京生まれっぽくなかったんです。そういう染まってない感じが良かったのかも知れないですね。歴代のジュノンボーイって完成されていない人が選ばれる傾向があったんです。おしゃれも全然したことがなかったので、芸能界に入ってから一つひとつのことが大変でしたけどね。
――それまで打ち込んでいたことはあったんですか。
市川 中学時代はサッカー部だったんですけど、先輩と上手く付き合えないし、別にサッカーも上手くもなかったので、中学でやめて。高校時代は割と勉強に打ち込んでいました。進学校で、大学に行くのが当たり前という雰囲気でしたからね。
――どうして男子校を選んだのでしょうか。
市川 中高一貫校だったんですけど、兄が先に通ってたんです。
――男子校で良かったことはありますか。
市川 変な気を使わなくていいことです。異性が関わらないから恥ずかしいこともできるし、体育祭や文化祭などの行事ごとにも全力で取り組んで、青春を味わえました。ただ6年間は長かったですね。3年で良かったかな。もうちょっと十代のときに、女性との関りも欲しかったなと今は思います（笑）。
――行事ごとで特に思い出に残っていることは何ですか。
市川 文化祭です。お好み焼きやかき氷を作ったんですけど、その日は他校の女子生徒も来るので、みんな気合いが入っていました。あとは卒業式です。僕は人前で泣かないほうなんですけど、男子校って熱いので、みんなが涙を流していました。これが共学だったら恥ずかしくて我慢するんでしょうけど、誰もが感情を露わにしていて。６年間、僕らのことを見て来た先生も泣いていて、それを見て余計にグッときました。
