撮影中はCGの仕上がりが全く想像できなかった

――阿久津さんは本作が映画初主演です。オファーを受けた時の気持ちを教えてください。

阿久津仁愛(以下、阿久津) 主演と聞いた時はちょっとドキドキしました。原作を知らなかったので、『美男ペコパンと悪魔』というタイトルを見て「ペコパン?しかも“美男”って、どういう作品なんだろう」と興味が湧きました。

――原作は読まれましたか?

阿久津 はい。「この難しい内容をどうやって二重構造で見せるんだろう」と思いましたが、台本を読んで「なるほど~」と理解しました。

――本作は映像不可能と言われてきた幻想的で冒険的な世界観を、最新のCG技術を用いて実現しました。幻想の世界の住民であるクリーチャーのイメージは早い段階から具現化されていたのですか?

阿久津 イメージ画像はありました。でも、どうやって撮影するのか、全く想像がつかなかったです。

――阿久津さんはアクションシーンも多いですが、事前に練習はされましたか?

阿久津 アクションと乗馬、あとは現代のパートでスケボーに乗るシーンがあるので、スケボーの練習もあり、3つの練習を同時にやっていました。

――それは大変ですね!乗馬の経験はありましたか?

阿久津 小さい頃に動物園でポニーの乗馬体験をしたことはありましたが、本格的な乗馬は初めてでした。栃木県の那須千本松牧場に行って練習しました。難しいだろうなとは思っていましたが、実際に乗ってみると馬がすごく賢くて、僕が操られてしまいました(笑)。趣味で続けたいと思うくらい楽しかったです。馬が駆け足になった時の振動はすごくて、初夏だったので、一緒に練習した(悪魔アスモデ役の吉田)メタルさんと汗だくになっていました。

――乗馬の練習はどれくらいされましたか?

阿久津 週に1度のペースです。練習期間はそんなに多くはなかったですが、その分集中して臨めました。

――乗馬中、演技にも余裕が生まれるくらいになりましたか?

阿久津 そうですね(笑)。馬に乗って出発する瞬間に「うっ!」となったこともありましたが、うまく撮影できたのでよかったです。

――スケボーの経験はありましたか?

阿久津 ブレイブボードに乗ったことはありましたが、4輪のボードは初めてで、最初は「これ、どうやって乗るの?」と戸惑いましたが、簡単だけどカッコ良く見える技を先生に教えてもらい、撮影の時は一発でできました。段差の降り方も2、3回の練習でできるようになりました。

――上達が早いですね!もともと運動は得意なほうですか?

阿久津 小さい頃からポケバイに乗っていたので、乗り物のコントロールは得意かもしれません。スケボーは怖がらないようにするのがコツだと思いました。

――アクションはいかがでしたか?

阿久津 練習中の映像を観て「俺、こんなに動けてないんだ……」とガッカリしました(笑)。本番のロケは洞窟など、地面がデコボコな場所ですることが多かったですが、精一杯の力を出して演技しました。躍動感のある撮り方をしていただいたので、カメラに助けられたところも大きいです。

――CGの撮影は、頭の中で思い描くイメージで動くシーンも多かったと思います。

阿久津 そうなんですよ!めっちゃ激しく動いていたので、「どうなるんだろう」と思っていました。「ここに移動して、これを触って」と全ての動きがかっちり決まっていて、ちょっとでもズレると撮り直しになりました。

――松田圭太監督はCM やテレビ番組のCGを数多く手掛けていらっしゃいますが、どんな指示があったのですか?

阿久津 「ここにお城があって、ここにこれが来るから」という説明を聞きながら、何もない場所で試行錯誤しながら演技を進めました。「これで本当に映画になるのかな?」と半信半疑でしたが、予告の映像を観たら想像を超えた世界が広がっていて「うわー!」と驚愕しました。CG制作に半年以上かかると聞いていたので、撮影が終わった時に「頑張ってください」とお伝えしました(笑)。