“書くこと”への向き合いと連載開始にむけて

――“書くこと”についてお伺いします。ギャンパレの楽曲では『Träumerei 』『MELT』『少し大人になって』の3曲で作詞されていますが、作詞をする時に意識していることはありますか?

キャ・ノン パンチラインが無いと採用してもらえないので強い言葉を考えるのですが、あんまり普通じゃないのは嫌で。突拍子の無いワードを1、2行考えてから、どこに入れ込んだら良いかな?と考えたり、強いワードが浮かないように、周りの歌詞と馴染ませながら入れることが多いです。全部書いた後に、なんか足りないなと思ったらまた変えたりして。

――作詞後に反省点が見つかることもありますか?

キャ・ノン 出来上がった詩に対して「こうすれば良かった」ということは思わないですが、タイトルをつけるのは難しいなと感じることが多くて、結構苦手ですね。

――以前、メディアのインタビューでメンバーのユユ(テラシマユウカ)さんが良い歌詞を書くといったことをおっしゃっていましたね。

キャ・ノン そうですね。(ヤママチ)ミキの歌詞も好きです。『Dear』がまさにそうですが、別の曲でもすごく真っすぐな言葉をたくさん並べられるのが素敵だなって思っています。ミキもユユも屈折している人間だから書けるというか(笑)、曲がっているからこその真っ直ぐさに惹かれます。

――作詞するにあたって普段から言葉を書き留めたり、メモしたりしていますか?

キャ・ノン 普段から思い浮かんだことをすぐメモしています。最近はもっと本を読むようにしようと思って、本の中から良い言葉があったら書き出しています。

――どんな本を読んでいますか?

キャ・ノン 宮沢賢治を読んでいます。今だから理解出来る部分も多いですし、植物とかを擬人化することがすごく上手で面白いなと感じています。あとは、燃え殻さんの本を読んで自分も文章を書いてみたいなと思いました。

――事前アンケートでは、本谷有希子の『生きてるだけで、愛。』、爪切男の『死にたい夜にかぎって』なども好きとのことでしたがどんなところに惹かれますか?

キャ・ノン 強いパッションを感じたり、自分の心が動く作品が好きです。子どもの頃、読書が全然好きじゃなかったんですが、高校生になってから本を読むようになって。読んだ本に当時の思い出がつまっていて、何回も読み返しています。

――いつごろから書くことに興味が出てきたのでしょうか?

キャ・ノン 高校生の頃は国語が好きでしたし、小説を書いて提出する機会があって。その時は「1つのことで物事が大きく変わる話」といったテーマだったのですが、自分自身が猫になってしまった話を猫視点で書いた記憶があります。

――過去に自分が書いた文章や小説は今も読み返したりしますか?

キャ・ノン 手元に残っているものは、たまに読んだりします。どんなもの書いていたかなって。学生同士でお互いに作品を読んで感想を言い合う授業などはとても楽しかったですし、今振り返ると学生時代にもっと書けておけばよかったと思います。

――今回の連載ではどのようなことを書いていきたいですか?

キャ・ノン 学生の時は小説を書くのが楽しかったのですが、日常とか、道を歩いている時に見えたものを文章化することも好きで。自分が感じた些細な部分を自分の言葉で綴っていきたいです。

――普段から日記を書いたりしていますか?

キャ・ノン 日記は書いていないのですが、感じたことをメモしたり、SNSなどに投稿していて、それが日記がわりになっています。読み返した時に、この時こんな風に思っていたんだとか、この言葉を絶対忘れないようにしようとか。あとはこの時、誰に憧れていたんだろうとか、どんな音楽を聴いていただろうとか、当時の気持ちが蘇るように残しています。

――連載はどの様に読んでほしいですか?

キャ・ノン スキマ時間に楽しんでもらえると嬉しいです。私も移動時間とか空き時間にnoteとかを読むのが好きで。ふとした時間が「これ読んで良かったな」と思ってもらえる瞬間になるような文章が書けたらいいなと思います。あと「分かってくれる人と共有したい」みたいな欲があって。とにかくたくさんの人に見てもらうよりは、同じ感覚を持っている方に強く共感してもらえると嬉しいです。

――ありがとうございました!次週より連載よろしくお願いします!

キャ・ノン ありがとうございました!

キャ・ノンさんの新連載「アイドルリアル備忘録」は毎週、公開予定です。次回は6月7日公開予定です!お楽しみに!

キャ・ノン

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する13人組アイドルグループGANG PARADEのメンバー。また、「KiSSをあなたにお届けchu!♡」をキャッチコピーに活動するWACK初の王道6人組アイドルグループ『KiSS KiSS』のメンバーの一人でもある。ライブ好きで、苦手なことや、できないことは出来るようになればいいというタフでロックな精神の持ち主。2024年5月31日より自分自身のライブレポートなどを綴った『アイドルリアル備忘録』をSTREAMにて連載中。

INTERVIEWER:KOZUE NAKAMURA,PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA