自分が楽しいと思うこと、わくわくすることをやっていきたい

――お芝居でターニングポイントになった作品は何でしょうか。

出口 2018年に出演した舞台「おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME〜」です。オーディションでヒロインのトト子役に選んでいただいたんですが、舞台経験は2回目で、ほとんどお芝居の経験もなかったので上手く演じることができませんでした。しかも共演者はお芝居の上手い方々ばかりなので、毎日泣きながら稽古に通っていたのですが、同じ年の暮れに、同じメンバーで喜劇「おそ松さん」に出演させていただき、そのときに自分の出し方も分かってきて、お芝居が楽しいと感じたんです。また、翌年の「おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME3〜」にも出演させていただいたことが、とても大きな経験になりました。

――お客さんの反応はいかがでしたか。

出口 正直、初めて出演したときは、「お前がトト子をやるな」みたいなDMがたくさんSNSに届きました。そのときは精神的にきつかったですけど、それは自分の実力不足でもあったんですよね。というのも2回目、3回目とシリーズを重ねるごとにお芝居が楽しくなってくると、女の子からの温かい声もとても多くなったんです。私のお芝居に対する思いが、ちゃんとお客さんにも伝わったんでしょうね。

――今年2月に事務所を退所して独立しましたが、どういう心境の変化があったのでしょうか。

出口 上京してから順調にお仕事をしていたんですが、コロナ禍で舞台のお仕事も、グラビアのお仕事も一斉になくなってしまったんです。それで今後の人生について考える機会が増えて、今までは事務所に頼り切りだったなと気付いたんです。コロナ禍が収束して一年ぐらいは様子を伺っていたんですが、以前の状況には戻らなくて。だったら自分の責任は自分で取らないといけないなと思って独立することにしました。

――独立するにあたって、どなたかに相談はしたのでしょうか。

出口 事務所を退所するかどうかの時期に、友達に相談しましたが、背中を押して欲しいだけだったというか。その時点で自分の中で答えは決まっていました。

――今後どんなビジョンを考えているのでしょうか。

出口 お芝居もグラビアも継続していきますが、それとは別のお仕事も考えていて。まだご報告することはできないんですが、今まで応援してきてくれたファンの方々も巻き込めるような展開を考えています。私には東京で出会った仲の良い女の子グループがいて、私も含めて7人いるんですが、6人とも自分がやりたいことだけをやるという生き方をしていて。みんな楽しそうだし、しっかり自分の力で生きているんですよね。みんな別々の業種なんですが、その子たちからの影響は大きいですし、私も自分が楽しいと思うこと、わくわくすることをやっていきたいです。

Information

『THIS MAN』
新宿ピカデリーほか全国公開中

出口亜梨沙 木ノ本嶺浩
鈴木美羽 小原徳子 茜屋日海夏 校條拳太朗 / 般若 アキラ100% 中山功太
津田寛治 渡辺哲

監督・脚本・編集:天野友二朗
配給:アルバトロス・フィルム
企画製作:Union Inc.
©2024 Union Inc.

舞台はある田舎町。町では、連続変死事件が発生していた。被害者の共通点は、生前、眉のつながった奇妙な風貌の男を夢の中で見ていたことだった。夢の中に出てきた男は「あの男」と呼ばれ、人々を恐怖に陥れていた。そんな中、八坂華(出口亜梨沙)は、夫の義男(木ノ本嶺浩)と娘の愛とともに、幸せに暮らしていた。しかし、「あの男」による被害が拡大し、徐々に華の身近にも危険が迫る。やがて華は究極の選択を突きつけられる。果たして華が取った行動とは?

公式サイト
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出口亜梨沙

1992年9月18日生まれ。大阪府出身。テレビ情報番組でのリポーターとして活動を開始し、2017年よりグラビアアイドルとしても活動を開始。2019年には週刊ヤングジャンプ創刊40周年を記念した「SS ELEVEN」に選抜。グラビア活動と合わせて俳優としてもドラマ、映画、舞台で活動。近年の主な出演作として映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』(21)、『甘い夏』(22)、『シモキタブレイザー』(24)、ドラマ「だから殺せなかった」(22/WOWOW)、「キス×kiss×キス〜メルティングナイト〜」(22/テレビ東京)、「ブラックポストマン」(22/テレビ東京)、舞台「宇宙戦艦ティラミス」(22~23)、 ロックミュージカル「新宿のありふれた夜」(23)など。

PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:MAMIKO IKEDA