なおも続くキャリアの話。不登校で引きこもりの時期に「アイドル」に救われた経験も

――ここまで5人のキャリア、ルーツを伺ってきて。後半も続いて、日暮刹那さんから。

日暮刹那 ちっちゃい頃からアイドルが好きで、アイドル以外にそれほど興味がなかったんです。真剣に考えたのは、進路希望に「アイドル」と書きました。人生でアイドルの方に救われた経験もあって、私も、誰かを救える仕事をしたいと思ったんです。オーディションは親に内緒で受けて、合格後に「アイドルになるよ」と事後報告しました(笑)。最初は「どんな事務所なの?」「大丈夫?」と心配をかけてしまったんですけど、ライブに足を運んでくれるようになり、親族そろって応援してくれています。

――次に、那華喜シイナさん。

那華喜 幼い頃からステージとの縁を切っても切れない人生で、片手で数えられるほどの年齢から、習い事でステージに立っていたんです。青春時代には演劇もやっていて、上京してからは、テーマパークで踊るダンサーさんを目指して勉強しました。でも、コロナ禍で将来が見えなくなってしまい、「今、自分が一番やりたいことは何だろう」と考えたんです。思いついたのが、そもそもはなじみのなかったアイドルでした。メイドカフェで働いていた経験もあり、そこでアイドルソングと出会い、人を笑顔にできる魅力に気がついて、自分の歌、ダンス、表情で誰かが笑顔になり、喜んでくれたらとの思いで、この仕事に人生をかけました。グループのワンマンでは朗読劇があったり、去年の夏には学校1つ借り切ったドラマを撮影したり、演劇も含めた経験を生かせているし、運命だったなと思います。

――続いて、日向しおんさん。

日向 私もコロナ禍で人生を考えて、先行きが見えない中で「好きなことをやろう」と思ったんです。アイドルはずっと見てきたし、ファンとしてステージを見て鳥肌が立ったり、感情を揺さぶられた経験があったので。正直、接客業での生活は安定していたし、不安もあったんですけど、思い切って飛び込んでみて、頑張っている自分が大好きになりました。周囲のスタッフさんも、寝る間も惜しんで私たちを引っ張ってくださいますし、勇気を出して決断してよかったです。

――次に、コハクカーニバルさん。

コハクカーニバル 中学時代、不登校で引きこもりだった時期に救われたのがアイドルの方や、アーティストの方がだったんです。私も誰かのために生きたいと思って、友だちと一緒にアイドルグループのオーディションを受けたのが、この世界に入ったきっかけでした。以前のグループは辞めてしまったんですけど、もう一度頑張りたいと思い、加入したのが今のグループで、人として成長できていきます。私にとっては学校のような、メンバーから学ぶこともたくさんあります。

――キャリアのお話、ラストはアオハルラムネさんです。

アオハル 幼い頃から、建築家になりたかったんです。中学時代まではエンタメにふれてこなかったんですけど、中学1年生のとき、姉につれられて「天才てれびくん」のイベントに行って、同年代の子たちが大きなステージでキラキラ輝いているのを見て、人生観が変わりました。歌やダンスをやりたいと言っても「勉強しなさい」と親からは反対されましたけど、高校では親が望んだ理系へと進まずに文系を選んで、初めての反抗でしたね。アイドルに抵抗のあった親も受け入れてくれるようになって、今は応援してくれるし、遠征では天気予報の情報を連絡してくれます。

――それぞれの人生模様が垣間見えました。そして最後に、グループとしての目標も伺いたいです。

アオハル 夏に出演するイベントやフェスの予定が決まって、11〜12月にかけての東名阪ツアーも決まったんです。2025年4月には東京・ヒューリックホール東京で開催するデビュー4周年のワンマンライブも決まっていて、そこをめがけて活動しています。夢の47都道府県ツアーを実現したいし、もっと大きな夢では、アリーナやドームのステージにも立ちたいんです。ヒューリックホール東京では1000人を集めて、先輩たちのようにZepp DiverCity(TOKYO)や豊洲PITと、一歩ずつステップを踏んでいきたいと思っています。毎日続ける「SHOWROOM」での配信、ビラ配りのように、地道は活動も大切にして、たくさんの人とふれあっていきたいです。私たちは”転生”してアイドルになりました。みんな違うキッカケだけど共通してるのは変化を恐れずに飛び込んでみる事です。世の中では転生先のチート的な展開ばかりフォーカスされる作品が多いですがテンテンは転生した後でもたくさんのギリギリなダンジョンがありました、きっとこの先も。だからこそ 歌詞の世界観では”誰かの物語”を歌うグループですが、チートなんてないけど一つ一つみんなで乗り越え成長していく姿と”私たちの物語”で変化に飛び込む勇気とエールを送れたらなと思います。

Information

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公式サイト

点染テンセイ少女。

ライトノベルの世界観がコンセプトの10人組アイドルグループ、通称「テンテン」。疾走感あふれるサウンド“エモーショナル オルタナティブロック”が、誰もが通った青春を彷彿とさせ、ノスタルジックな世界に染め上げる。毎月開催される「超早朝ワンマン」は毎回100名以上を動員する他、山梨から都内までの道程をメンバーでつなぐ、100km駅 伝など様々な企画で話題を呼んでいる。 また、結成1年目から地上波TVの冠レギュラーコーナーを持ち、民放キー局のタイアップも担当。アイドルの祭典「TOKYO IDOL FESTIVAL」をはじめ、ステージを中心にファンを魅了する。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO