あまり普段は褒めてくれない母が「水曜日のダウンタウン」の仕掛け人役は褒めてくれた

――今年5月1日放送の「水曜日のダウンタウン」(以下、「水ダウ」)で、お見送り芸人しんいちさんにハニートラップを仕掛ける役で出演して大きな話題を呼びました。事前にどこまでドッキリの内容は決まっていたんですか。

三輪 ざっくりした流れはあったんですが、特に台本はなくて、3回目でキスをして、最高5回まで騙し続けるのは決まっていました。流れを作るのは私ですが、しんいちさんにバレてしまうと終わりなので、行けるところまで行こうと。

――普段の役作りと同じようなものですよね。

三輪 そうなんです!視聴者の方はキスまでしたことに驚かれたと思うんですが、私からしたら自分の中でイメトレをして臨んでいるので役作りと同じなんですよね。しんいちさんがどう出るか分からないので、しっかりとセリフを決めている訳じゃないですけど、その場その場で考えながら発言して、一つの作品に入ったような感覚でした。

――三輪さんは「水ダウ」に出演する前から、TikTokに“あざと女子”を演じた動画を投稿して話題を呼んでいました。三輪さんの“あざとさ”を指摘したのは友達だったそうですね。

三輪 友達に「TikTokでどういうアカウントを作ればいいのか」って相談をしたら、「そのままの晴香を出せばいいんじゃない」というアドバイスをもらって。自分があざとい自覚もなかったですし、「そのままの私を出しても面白くなくない?」と思ったんです。ところが何でもない日常を撮った動画をアップしてみたら、「あざとい」というコメントが多くて(笑)。今でこそ「あざとい」は褒め言葉だと思っているんですけど、最初は複雑な気持ちでした。でも、これを強みにしようと思いましたし、「水ダウ」のスタッフさんも私がオーディションを受ける前から、TikTokのことは知ってくださっていました。

――ではハニートラップ企画のときも、ことさらあざとさを意識した訳ではないんですか?

三輪 あざといって言われるテクニックを自分なりに勉強して入れてはいますが、大半は私が好きな人に対する、いつもの接し方でした(笑)。

――放送終了後にSNSフォロワー数が6倍以上急増したそうですが、ここまで反響があると思っていましたか。

三輪 しんいちさんが面白いと言われるのは予想していましたが、私はただの仕掛け人ですから、そこまで反響があると思っていなかったです。

――放送はリアルタイムで観ていたんですか。

三輪 はい。オンエアが始まると通知が止まらなくて、これは叩かれているのかもしれないとドキドキでした。

――自分もリアルタイムで観て、SNSもチェックしましたが、好意的な意見が大半でしたよね。

三輪 うれしかったですね。「応援してるよ」とか「面白かったよ」とか「『水曜日のダウンタウン』で初めて知ったんですが素敵でした」とか良いコメントばかりで、ありがたかったです。

――家族の反応はいかがでしたか。

三輪 3歳下の妹が東京にいるので一緒に観ていたんですが、「さすがやな。でも普段はこんなんちゃうやん。ちょっと作ってるな」と言うから、「あんたの前では見せてへんだけやで」って(笑)。母は普段あまり褒めてくれないんですが、「水ダウ」は褒めてくれました。

――出演映画『初めての女』についてもお伺いします。主人公・瀧井孝作が惹かれる三味線芸者の鶴昇(加藤菊)を演じていますが、オーディションで決まったんですか。

三輪 そうです。芸者役ということで、私は自分で着付けもできるので、浴衣を着てオーディションに臨みました。

――着付けもできるんですね!本作では三味線も披露していますが、いつ習ったんですか。

三輪 高校生のときです。通っていた学校がそういう学科だったんですよね。大阪にあるんですけど、その学校に行きたくて、地元の滋賀から毎日通っていました。

――なぜ、その高校に通おうと思ったんですか。

三輪 役者になりたいと思っていたので、いつか学んだことが役に立つかなと。

――まさに今回の映画で役立った訳ですね。今でもお稽古は継続しているんですか。

三輪 三味線と日本舞踊は今も続けていますし、たまにお花もやっています。着物に関しては、普段着で着ることも多くて、着物姿で歌舞伎を観に行ったりしています。

――本当に和の文化が好きなんですね。発表会などにも参加しているんですか。

三輪 日本舞踊は年に一回、「お勉強会」という小規模の発表会に出させていただいていて、家族やお友達だけではなく、ファンの方もちょこちょこ観に来てくれます。

――ちなみに中国語も習っているそうですね。

三輪 5年ぐらい前に中国でお仕事をさせてもらったことがあって。初めて声優に挑戦させていただいたんですが、そのときに現地でインタビューを受けることになって。少しでも自分の言葉で喋れたらいいなと思って、中国語を習い始めて、今に至ります。中国語は発声が可愛くて好きなんですよね。日常会話程度なら普通にできますし、中国語の映画も字幕なしで理解することができます。