こんにちは。GANG PARADEのキャ・ノンです。この連載のためにツアーにカメラを持っていくようになって、メンバーの写真を撮っているのですが、なかなか楽しくなってきました。実は昔、ギャンパレのリリイベで友達のカメラを借りて写真を撮ったことがあって、むずかしい!となったので、いつも綺麗に写真をとってくれているのみんなのこと尊敬しています。本当にすごいです。そしていつもありがとうございます。写真を撮る才能はないけど、今は裏側を撮影できる立場になれちゃったので、これからも可愛いメンバーの姿をお届けできるように頑張ります。というわけで、今日はGANG PARADEのAVANTGARDE PARADE TOURの仙台公演の日のことを書いていこうと思います。

 

仙台でのライブはPiZZA WACKful WORLD TOURぶりになる。わたしはインフルエンザでお休みだったため(本当にごめんね)、今日は久々の仙台でのライブだ。その土地に住んでいる人に会えることが、遠征の醍醐味である。今日はあの人や、あの人も来てくれるかな、とかXで今日の動向を覗いたりしていつもわくわくしている。”その土地だから会える人”の存在が増えていく度に、この仕事をしていてよかったと思う。

また、この日は、セイ(カ能セイ。GANG PARADEのメンバー。7月16日をもって、グループから脱退する。)の脱退が発表されてはじめてのライブだった。楽屋にいても、廊下にいても、なんだかそわそわして心が落ち着かなかった。ステージに上がったら、遊び人のみんなはどんな表情をしているのか、考えるだけで胸が締め付けられる。

久々の仙台でのライブと、セイの脱退。本番が近づくほど、ふたつのエネルギーがぶつかることはなく、自分の中でどんどん大きくなる。円陣を組んで、大声を出す。マイカの気合い入れで少しだけ心が軽くなったが、SEがかかると再び身体に緊張が走った。「よろしくお願いします!」と、自分にも言い聞かせるように、袖にいるスタッフさんに声をかけてステージに上がる。

 

1曲目は最新曲の『パショギラ』からはじまった。その次は『Anything Goes!!!!』と、底抜けに明るい歌は自然と笑顔にしてくれる。この日は一段と、フロアにいるお客さんの顔がよく見えた。笑顔も、真顔も、泣き顔もはっきりと見え、その度に心はぐらぐらと動いた。

MCを挟んで3曲目は『BRIGHT FUTURE,YOUR SMILE』だ。わたしは、この歌の持つ力がとても好きだ。明るくて、優しくて、幸せな思い出もたくさんあって、楽し過ぎて泣きそうになるのはこの歌だけな気がする。ライブ中ずっと、この未来を見る時間が続いて欲しいと願ってしまうのだ。元から決まっていたセットリストは、すべてをわかっていたかのようだった。1曲毎に情緒は揺れ動き、ふと目が合うセイはとても可愛かった。

 

辞めることを決めたアイドルは、特有の輝きを見せてくれる気がする。これまでも、キラキラと光っては消えていくアイドルを見てきた。信じられないくらい可愛くて、それがさみしい。わたしはその刹那にすごく魅力を感じている。何度も魅了されてきたその光景が、いざ自分のメンバーとなると、苦しくて、でもやっぱり誰よりも輝いて見えた。

そしてこの日、気付いたことがある。セイ推しのみんなにもう会えなくなっちゃったらどうしよう、とても不安になったのだ。それくらい、わたしにとって遊び人という存在は大きくなっていて、自分が思っているよりも好きだと気付いた。GANG PARADEのこと好きでいて欲しいと願ってしまうし、もっと好きになってもらえるように頑張ろうと思えた。(これはいい発見!)

ライブが終わり、衣装を脱いで、メイクを落として、仙台の町にさよならを告げる。13人が詰め込まれたコースターは東京へと向かった。7月にも仙台でのイベントが決まって、「また来月ね!」と、特典会で交わしたみんなとの約束に頬が緩む。気付けば意識を失って、目を開ければ事務所に着いていた。コースターを見送って解散する。ひとりになるとやっぱり、少しだけさみしかった。

過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/ca_non_regular/

キャ・ノン

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する13人組アイドルグループGANG PARADEのメンバー。また、「KiSSをあなたにお届けchu!♡」をキャッチコピーに活動するWACK初の王道6人組アイドルグループ『KiSS KiSS』のメンバーの一人でもある。ライブ好きで、苦手なことや、できないことは出来るようになればいいというタフでロックな精神の持ち主。2024年5月31日より自分自身のライブレポートなどを綴った『アイドルリアル備忘録』をSTREAMにて連載中。