田中洸希さんは誰からも可愛がられるタイプ

――『シュガードッグライフ』のオファーがあったときのお気持ちはいかがでしたか。

植村楓太(以下、植村) BLの連続ドラマにレギュラーで出演するのは初めてで、めちゃくちゃうれしかったです。僕、BLドラマが好きでめっちゃキュンキュンするんですよ。

――原作のコミックを読んだ印象は?

植村 誰にでも理解しやすいシンプルなストーリーで、登場人物たちが魅力的。表情なども繊細に描かれていてドキドキしました。特に主人公・桜庭唯純(さくらば・いすみ)のツンデレ加減、好きという感情が隠し切れていないところがかわいくて。唯純が思いを寄せる天沢恭丞(あまさわ・きょうすけ)さんもかわいらしい要素があるんですが、唯純に対する包容力が素敵だなと思いました。純粋に恋愛する二人もいいんですが、唯純と僕が演じる中川陽平(なかがわ・ようへい)、そして東海林璃仁(しょうじ・りひと)と親友の3人がじゃれ合うシーンも楽しくて癒されました。

――陽平を演じる上で、どんなことを意識しましたか。

植村 原作の陽平は姿勢が綺麗なので、しっかり背筋を伸ばして演じるようにしました。陽平は男らしくて正義感があるので、堂々としていたほうが様になるんですよね。あとは陽平も唯純を優しく見守っている存在なので、天沢さんとの違いをどう見せるかも考えました。前半は陽平も唯純に気があるんじゃないかと匂わせたくて、唯純との距離感も考えて演じるようにして。後半は、唯純の背中を押してあげるような、お兄ちゃん感を出すように意識しました。

――ご自身と陽平で共通する部分はありますか?

植村 どちらかというと僕も人の悩みを聞くほうなので、唯純の言動に対してアドバイスする陽平は自分に近いのかなと思いました。

――現場の雰囲気はいかがですか。

植村 みなさんコミュニケーションを大切にしているなと感じました。僕はちょっと人見知りなんですが、初日から優しく迎え入れてくれて。天沢さんを演じた多和田(任益)さんとはラーメンの話で盛り上がって。東海林を演じた楽駆くんもラーメン好きだったので、プライベートでラーメンに行く約束もしました。撮影もスムーズですし、めちゃくちゃ楽しい現場ですね。皆さんお芝居が上手なので、「こう演じるんだ!」という発見もあって刺激的です。楽しませていただきつつ、勉強もさせていただいています。

――撮影で苦労したことは?

植村 お兄ちゃん感を出すのが難しかったです。そこは自分にない部分なので、唯純の頭をポンポンするなどのボディータッチを意識して、少しでもお兄ちゃんっぽく見せるように努めました。クランクインの前に喋り方も難しそうだなと思ったんですが、衣装合わせのときに「自分が言いやすいようにしていいよ」と監督さんが言ってくださったので、安心して撮影に臨めましたし、原作と脚本を読み込みながら、自分なりに工夫をしました。

――先ほど“発見もあって”というお話がありましたが、特に勉強になった共演者はどなたですか。

植村 楽駆くんです。もともと出演作を幾つも観ていたので、自然なお芝居をする上手な役者さんだなと思っていたんですが、生で観ると、よりすごいなと感じることばかりで。楽駆くんは東海林そのままなんですよね。それぐらい違和感なく役になり切るんです。楽駆くんとは共演シーンが多いので、お芝居について話し合うことも多くて。僕がセリフの言い方で迷っているときも、「同じ意味合いだったら変えてもいいんじゃないか」とアドバイスしてくれました。楽駆くんの言葉は勉強になることばかりです。

――唯純を演じる田中洸希さんの印象はいかがですか。

植村 洸希さんも唯純そのものと言いますか、一見するとクールな雰囲気ですが、すごくフレンドリーで、誰からもかわいがられるタイプなんですよね。唯純を演じるのは洸希さん以外、考えられません。