ずっとホラー作品に出てみたいと思っていた
――これまでホラー映画を観ることはありましたか。
近藤華(以下、近藤) ほとんど観たことがなかったです。怖いのが苦手なので避けてきたジャンルでした。
――『サユリ』の原作を読んだ印象はいかがでしたか。
近藤 前半と後半で全くテイストが違うので、楽しく読めました。
――その辺の展開は映画も同じですよね。
近藤 そうですね。初めて脚本を読んだときに、原作以上にコミカルな部分が増えたのかなと感じました。
――『サユリ』の出演はオーディションで決まったそうですが、ホラーが苦手なのに、どうして受けようと思ったんですか。
近藤 観るのは苦手なんですが、ずっとホラー作品に出てみたいと思っていて。というのも、どうやって作っているんだろうという興味があったんです。だからオーディションのお話をいただいたときはうれしかったです。
――オーディションで印象的なことは?
近藤 私が演じた住田が、大きな声を出すシーンを演じたんですが、恥ずかしさを取っ払って頑張りました(笑)。オーディションには白石晃士監督もいらっしゃったんですが、何となく私のイメージでは、たくさんのホラー作品を撮っている監督って怖い方なのかなと思い込んでいたんです。白石監督はすごく優しい方で、そのギャップも印象に残っています。
――近藤さんが演じるのは、一戸建てマイホームに引っ越したことで、次々と家族が不幸に見舞われる主人公・則雄の同級生・住田です。演じる上で事前準備などはしましたか。
近藤 住田は幽霊が見える子なので、どういう幽霊が見えるんだろうと思って、幽霊の画像などを調べて、自分なりの幽霊像を作りました。あと住田は友達などに霊が見えることを隠しているので、いろいろ抱え込んで生きてきたと思うんです。その背景を考えながら演じるようにしました。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。
近藤 それがホラーを撮っている現場とは思えないぐらい、みなさん本当に明るくて、すごく居心地が良かったです。
――神木則雄を演じた南出凌嘉さんとの共演シーンが多いですが、すぐに打ち解けることはできましたか?
近藤 映画『キングダム』(19)や『糸』(20)など、以前から南出さんの出演作を観ていたので、共演できるのがすごくうれしくて。私は絵を描くのが好きなんですが、南出さんも絵に興味があってその話で盛り上がったので、早めに打ち解けられたんじゃないかなと思っています。
――則雄のおばあちゃんで、神木家の窮地を救う存在となる春枝を演じた根岸季衣さんの印象はいかがでしたか。
近藤 根岸さんも出演作を幾つも観ていたので、お仕事でご一緒できることがうれしくて。ヨボヨボのおばあちゃんを演じているときと、覚醒して大暴れするおばあちゃんとの差が凄まじくて、ここまでやり切れるんだと衝撃を受けました。