もともと格闘技を観るのが好きで、バン仲村さんと共演できるのは光栄だった

――『100 秒の拳王-ケンカバトルロワイアル-』は関さんにとって映画単独初主演の作品になりますが、オファーがあったときのお気持ちからお聞かせください。

関 哲汰(以下、関) 率直にうれしかったです。初主演というのもそうですが、もともと格闘技を観るのが好きで、バン仲村さんが主宰する「ケンカバトルロワイアル」もYouTubeで観ていたので、バン仲村さんと共演できるのも光栄でした。ONE N’ ONLYのメンバーに「決まったよ」と報告したときも、「ケンカバトルロワイアル」が好きなメンバーもいたので、すごく喜んでくれました。

――関さんが演じるのは、ケンカバトルロワイアルの頂点「拳王」の座を手に入れるためにリングに立つ鷲田隆です。体作りは大変だったのではないでしょうか。

関 出演が決まったときは体が細くて、まずは体重を増やしてというところから始まりました。お話をいただいて1ヶ月前から体作りを始めたので期間も短かったんですが、できるだけ食事量を増やして、家で自重トレーニングを中心に筋トレをして。食事も、なるべく高カロリーのものやタンパク質多めのものを摂取して、できる限り体を大きくしました。

――並行してグループ活動もある訳ですから大変ですよね。

関 結果的に10キロぐらい増量したので、最初は体が重かったんですが、徐々に慣れていきました。そこから筋トレにハマって、今も継続していますし、K-1のジムにも通い始めました。筋肉を付けると、良い意味でダンスにも重みがでるんですよね。

――それまでは、あえて体重を増やさないようにしていたんですか?

関 以前はジムに通って筋肉を付けていたんですが、コロナ禍で通えなくなって。筋トレをやめてしまうと太りやすくなるんですよね。それで痩せないといけないなってダイエットをしていたタイミングだったので、かなり痩せていた時期だったんです。

――もともとアクションに興味があったそうですね。

関 今回の作品のように、拳と拳をぶつけ合って、命を削り合うような映画やドラマが好きだったので、そういうアクションに憧れがあったんです。

――脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

関 僕は人と話すことが大好きな明るい性格なので、寡黙でクールな鷲田とはあまりにもタイプが違っていて、「本当に自分で大丈夫なのか……」と不安な部分が大きかったです。ただ千村利光監督と一緒に考えていくスタイルで作り上げていったので、話し合いの中で徐々に不安要素は解消されていきました。ストーリー的には、「100秒間で人生が変わる」という中で、そこに思いを込めて試合に臨むのは素敵なことだなと。僕自身、アーティストとして毎回強い思いでライブに臨んでいるので、おこがましいかもしれませんが実際に「ケンカバトルロワイアル」に出場している方々の気持ちが分かりました。

――鷲田を演じるにあたって、体作り以外で事前準備などはしましたか。

関 本編で鷲田が魚肉ソーセージを食べるシーンがあって、あまり普段は食べないんですけど、プライベートで買って食べました。そうやって鷲田だったらどういうものを食べているのかなどを常に考えて、味や臭いを使って役に入るみたいなことも試しました。というのも千村監督と話す中で、「嗅覚という視点で役作りをするのもあり」みたいなアドバイスをいただいたので実践したんです。

――自分とタイプの違う鷲田を演じるにあたって心がけたことはありますか。

関 僕は空き時間も喋りたいタイプなんですが、鷲田になりきるために、今回は現場で静かに過ごすようにしました。撮影期間中はプライベートでも一人の時間を大切にするようにしました。