爪痕を残すべく奮闘したキンスパとアニサマ
――今年も残り2か月となりましたが、2024年は振り返ってみてどんな1年でしたか?
カノエラナ(以下、カノエ) 5月にリリースした5thシングル「イロドリ」が、TVアニメ『夜のクラゲは泳げない』のオープニング主題歌になったんですけど、この曲が2024年の流れを大きく決めたと思っています。今年の頭から色々な準備をして、いざ「イロドリ」をリリースしてからは、大きなステージに立たせていただくことも多くなりましたし、つい先日終わったんですけど、弾き語りのワンマンライブツアーを開催させていただいたりもしました。また、夏には企画ライブという形で、素敵なゲストアーティストの方を呼んだライブを行ったりもしたので、とにかくライブをする機会が多い1年になりましたし、たくさんの人と出会うことができた1年になったと思っています。今後どのように活動していきたいのかということが自分の中でも固まったというか、自分自身の基盤をちゃんと築けた1年になったと思っています。
――ありがとうございます。とても濃い1年だったということがよく伝わってきました。弾き語りワンマンツアーや企画ライブのお話もありましたが、その他に印象に残っているライブやイベントを挙げるとしたら何でしょうか?
カノエ やっぱり、「KING SUPER LIVE 2024」と「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」に出られたことが大きかったです。私のことを知らない人もたくさんいるような大きな舞台で、どんな立ち回りをすれば記憶に残るのか?爪痕を残せるのか?そんなことを考えながら自分なりに奮闘したつもりなので、この2つのフェスは特に思い出に残っています。
――所属されているレーベルの一大フェス「KING SUPER LIVE 2024」は初出演とのことでしたが、楽しめましたか?
カノエ 大きいライブ会場ならではのポップアップというステージ下から登場する演出を経験できたのも大きかったですし、トロッコに初めて乗ったんですけど、意外とスピードが速くてびっくりしました(笑)。あと、ステージがとても高くて…、私は若干の高所恐怖症なので、実は冷や汗をかきながらステージに立っていました。コラボ曲のことで必死だったこともあって、MCで何を喋ったのか全然覚えていないんですけど、MCが良かったと褒めていただくことが多かったので、ホッとしたことだけは覚えています。
――Instagramの投稿からも楽しそうな様子が伝わってきましたよ。
カノエ 先輩アーティストの皆さんのライブは、後ろのモニターにかぶりついて観ていました(笑)。余裕がなかったと言いつつも、ちゃんとファン目線でも楽しんでしまって、ちゃっかり色んな方と一緒に写真を撮っていただいたりもしたので、いい経験ができたなと思っています。
――改めて、自分もキングレコードの一員なんだと実感できた瞬間だったのではないでしょうか?
カノエ 実は、全出演者で歌う曲のリハーサルの時に、1人ずつ自己紹介する場面があったんです。実際には横一列に並んでいて、自分は端っこの方にいたので皆さんのお顔は見えなかったんですけど、大先輩の皆さんの声が次々聞こえてきて、あぁ、自分もこの中にいていいんだ…と嬉しく思いましたし、先輩方からたくさん声をかけていただけたりもして、とても嬉しかったです。
――そして、そんな非常に濃かった1年の締め括りに、新曲「リバーシブルベイベー」がリリースされました。今回はTVアニメ『アクロトリップ』のエンディング主題歌に起用されていますが、曲はどのような経緯で作られたのですか?
カノエ 先に、エンディング主題歌を担当させていただけるということが決定しまして、資料をいただいたり、大まかなコンセプトや概要を伝えていただいたりしたんですけど、いち早く作品の中身が知りたいなと思って、資料をいただく前に原作を買って全部読んでいたんです。そうしたら、原作が面白過ぎて止まらなくて…。その面白いと感じたテンション感のまま書きたいなと思って、かつ、自分がカラオケで歌いたいと思えるようなアニソンを作ろうと思って制作しました。
――そのような熱量で作ったということは、完成は早かったのですか?
カノエ それが、めちゃくちゃ早過ぎまして(笑)、「オープニング主題歌の水瀬いのりさんの曲の方の歌詞がまだなので、良かったら書きませんか?」と言っていただいたんです。もちろん、原作の情報はもう全部頭の中に入っていたので、エンディング主題歌だけではなく、オープニング主題歌「フラーグム」の方の歌詞も書かせていただいたという流れです。
――なるほど。同時に決まっていたわけではなかったのですね?
カノエ 願ってもいないことだったので、びっくりしましたし、改めて、早く仕上げることは間違いじゃないんだなとも思いました。基本的には早め早めに仕上げることを心がけてはいたんですけど、今回のようなことは初めてでした。
――それだけカノエさんの思いや熱量が伝わったのだと思います。
カノエ 嬉しいです。ありがとうございます。