『宇宙刑事ギャバン』が大好きでジャパンアクションクラブに入所

――キャリアについてお伺いします。山口さんはJAC(ジャパンアクションクラブ。現JAE=ジャパンアクションエンタープライズ)出身ですが、どういう経緯で入所することになったんですか。

山口 僕はJAC一期生の大葉健二さんが主演を務めた『宇宙刑事ギャバン』が大好きで。日頃から「ギャバンの中に入る人になりたい」と言っていたら、母親から「JACに入ればなれるよ」と言われてJACのオーディションを受けたんです。中学生になったばかりの頃でした。

――もともと運動神経は良かったのでしょうか。

山口 バク転ぐらいはできましたけど、僕は成長が遅かったので、短距離走なんかはクラスで下のほうでした。高校生になって、グーンと身長が伸びてからは、走るのも速くなったし、ジャンプ力もついたし。だからJACに入りたての頃は全然ダメで、辞めてからのほうがアクションはできるようになりました。

――JACでは主にどんなことをやっていたんですか。

山口 養成所でしっかりと基礎作りを教えてもらったので、それは今にも活きています。研修で子ども番組の敵役をやることもありました。

――JACを創設した千葉真一さんと会うこともあったんですか?

山口 ありました。ただ僕はJACに入るとき、大場さんのことしか知らなくて、千葉さんのことも、当時JAC所属だった真田広之さんのことも知らなかったんです。大場さんは指導もしてくれたので、「今ギャバンに教えてもらっているぜ!」と無邪気に喜んでいました。

――その頃から将来は俳優としてやっていこうと考えていたんですか。

山口 全く考えていなかったです。高校生になって、映画のオーディションに受かったときも、出演できることより、バイトするよりもお金がいいことがうれしかったです。だからバイト感覚みたいなところがありました。芝居もそんなに面白いものだと思ってなかったですしね。まだ若かったので、監督やスタッフの言っていることも、ちゃんと理解できてなかったです。

――どのぐらいから真剣に芝居に向き合うようになったのでしょうか。

山口 二十歳を越えてからだと思うんですが、幾つか仕事をいただいて徐々にという感じでしたね。当時から小沢仁志さんや竹内力さんにかわいがってもらっていたので、その影響が大きかったです。先輩方の背中を見て、ちゃんと自分も地に足をつけてやろうという気持ちになっていきました。

――小沢さんと竹内さんの第一印象は怖くなかったですか。

山口 力さんを紹介してくれたのがアンドレ(安藤麗二)さんで。アンドレさんのほうが見た目は怖いし、力さんは二枚目なので怖くなかったです。ただ小沢仁志さんの顔は怖かったですよ(笑)。

――小沢さん、竹内さん、哀川翔さん、白竜さんはVシネ四天王とも呼ばれましたが、山口さんはご自身が出演する前からVシネマに興味はあったんですか?

山口 いつぐらいから観始めたかは覚えてないんですが、アウトロー作品が好きだったのでVシネマも大好きでしたし、出演するのも好きでした。

――山口さんがVシネ四天王に引けを取らないぐらいコワモテになった時期は?

山口 気付いたらなっていました。十代の頃から不良役をやって、大人になっても不良役をやって、今も不良役ですから(笑)。