19歳のときに一年間、ニューヨークに語学留学

――19歳のときに一年間、ニューヨークに語学留学したそうですが、どういう経緯だったのでしょうか。

山口 当時所属していた事務所の社長に、「あなたは二枚目なのか不細工なのか分からないから英語でも勉強すれば」と言われたので、「分かりました。行ってきます」という感じで、あまり深くは考えていなかったです。自腹でニューヨークに行ったので、すぐにお金がなくなっちゃう訳ですよ。それで当時の担当マネージャーさんに、「お金がなくなっちゃった」と相談して、事務所からちょこちょこ貸してもらいました。

――英語は得意だったんですか?

山口 全くでした。それでも現地に行くと、英語を話せないとどうにもならないので、自然と日常会話ぐらいはできるようになるんです。バイトもしていて、そこそこ生活費も稼いではいたんですが、若いから遊んじゃうんですよね。すぐにお金が追いつかなくなって、一年で帰国しました。日本に帰ってきたら、英語を話す機会がないから、すぐに忘れちゃうんですよね。

――帰国して、俳優の仕事はあったんですか。

山口 日本に帰ってきて、すぐに時代劇をやりました。語学留学前にも一度、時代劇には出ているんですが、2,3か月という長いスパンで出演したのは初めてで。それをきっかけに、徐々に先輩たちから現場に呼んでもらえるようになりました。

――殺陣はJACでもやっていたんですか。

山口 やっていましたけど、実際に時代劇でやる殺陣は全然違うんです。現場に行くと、JACの方が殺陣師として活躍されていて、丁寧に教えてもらいました。

――今でも現場でJACの同期の方とお会いすることはありますか。

山口 あります。僕は同期の中で歳が下のほうだったんですが、殺陣師になった方もいて、もう還暦に近いんですが第一線でやられています。

――『ぴっぱらん!!』のアクションもキレが凄まじかったですし、素晴らしい体型を維持されていますが、日頃からやっていることはありますか。

山口 仕事がない日にジムに行くぐらいですね。若い頃は仕事終わりでもジムに行っていたんですけどね。もともと僕は細くて、脂肪がつきにくいので、ジムに行かないと筋肉が落ちて痩せちゃうんですよ。

――ジム以外で、オフの過ごし方は?

山口 犬と散歩して、家でゴロゴロしてというのが一番ですけど、映画が好きなので、よく映画館のはしごをしています。最近だとスタントマンが主人公の『フォールガイ』が最高でしたね。

――最後に『ぴっぱらん!!』の見どころをお聞かせください。

山口 「極道家族のヒューマンドラマ」という部分ですね。家族としては成り立っていないところもあるけれど、思いだけはよその家族に負けない。見える優しさではない、見えない優しさを描いています。家族の繋がりをしっかりと描いたバイオレンスファミリームービーになっているので期待してください。

Information


『ぴっぱらん!!』
2024年11月1日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開中

山口祥行 崔哲浩 福士誠治
金守珍 津田寛治 渡辺哲 三浦浩一

監督・脚本・プロデューサー:崔哲浩
配給:渋谷プロダクション
©ワールドムービーアソシエーション

25年前、全国で名前を轟かせていた百鬼三兄弟だったが、突如一家の大黒柱の父・百鬼剛(金守珍)が何者かに暗殺された。「百鬼組は皆仲間や。ヤクザをやっていても、人の道を外れることだけはやってない」という父の意思を継ぎ、百鬼組を継ぐ次男・百鬼要(崔哲浩)だったが、元百鬼組の政治家・福沢正志(三浦浩一)は選挙を控え、同じ堂心会の丹羽組組長の丹羽毅(永倉大輔)が刑務所から出てくるタイミングで、麻薬ビジネスを発端に襲撃事件が起こる。大阪で一目置かれている三男・百鬼湊(福士誠治)のピンチを助けた長男・百鬼峻(山口祥行)は、本家と構えることになった次男・要を助けに、湊と共に要の元に現れ……。

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山口祥行

1971年8月6日生まれ。東京都出身。ジャパンアクションクラブ出身。2017年、ジャパンアクションアワードベストアクション最優秀男優賞受賞。主な出演作品に『覇王』シリーズ(小沢和義監督)、『アウトレイジ 最終章』(北野武監督)、『罪の声』(土井裕泰監督)、ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)、「ファーストペンギン!」(NTV)、「駐在刑事」シリーズ(TX)など。大ヒットシリーズ『日本統一』では本宮泰風とW主演を務めている。

PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:坂口佳那恵
衣装:ジャケット&スラックス:1PIU1UGUALE3 RELAX シャツ: BackChannel