いろいろな本を読む中でポップアートが大好きになった

――Core さんはアートワークなどもセルフプロデュースで制作していますが、昔からアートに興味があったんですか。

Novel Core  物心ついたときから大好きでした。幼稚園でもらってきたクレヨンで、家の壁に落書きを描いたりしていて。母親も寛容で、「描きたいときに描きたいものをたくさん描いて、インスピレーションを磨いたらいいよ」というタイプだったので、制限されなかった分、どんどん爆発していきました(笑)。読書も好きで、いろいろな本を読んでいく中で、現代アートに興味を持つようになって。中学生の頃には、美術館や芸術作品に触れるようになりました。めちゃくちゃアートに詳しい訳ではないですし、超マニアックなところを攻めている訳でもないんですが、たとえば事務所の壁に掛けられていたキース・ヘリング(Keith Haring)のレプリカを見て面白いと思って、このアーティストは誰と仲が良いんだろうと調べていく中で、バスキア(Jean-Michel Basquiat)やケニー・シャーフ(Kenny Scharf)の作品などにも触れて、ポップアートが大好きになりました。

――ポップアートは音楽との親和性も高いですしね。

Novel Core  レコードジャケットを見るのも好きで、盤面のデザインも含めて、いろいろなCDやレコードを見るのにハマって、自分でも作ってみたいなと漠然と考えていました。音楽を始めたタイミングで、ジャケットやアーティスト写真など、アートの側面に歩み寄るパートが増えたので、そこに活かせるものを自分で作りたいと思って、少しずつデザインの勉強もし始めました。あとはコラージュも大好きです。

――コラージュもジャケットから入ったんですか。

Novel Core  そうです。コラージュアーティストも幾つかチェックしたんですが、画集を買うみたいなことはなくて、コラージュが使われている好きなアーティストのジャケットを見て、面白いと思ったものを真似して自分で作っていました。惹かれるのは古いものが圧倒的に多くて、たくさんのレコードが置いてあるレトロな喫茶店に行って、どんなアーティストなのかも分からないまま、曲も聴かずに、とりあえずデザインを見るみたいなことをやっていた時期もありました。

――どういう方法でコラージュを作成していたんですか。

Novel Core  最初は本当にアナログで、紙を切って、切り貼りして作っていたんですが、面倒くさいと思い始めて(笑)。もっと簡単にかっこよくできる方法はないかと思ってパソコンでやり始めて。しばらくすると、それすらも面倒くさくなって、携帯でいろんなアプリをかませてやり始めたら、めっちゃ簡単にかっこいいのができたんです。それからは基本的に携帯かiPadでアートワークのデザインをやっています。がっつり自分が関わるものと、そうでないものがあるんですが、ディレクションは必ずやらせてもらっていて。デザイナーさんと直でやり取りしながら一緒に作ることもあるし、自分でロゴの原型を作って、それをデザイナーさんに頼んでデータにすることもあります。

――幾つかジャケットの制作例を挙げていただけますか。

Novel Core  たとえば「RULERS」なら、アニメ『キングダム』第5シリーズのエンディングテーマだったので、このシリーズで印象的だったジェノサイドで人間がアーチ状にされるシーンをオマージュしようと思ったんです。それでアーチ状の骸骨を作ってほしいと提案させていただいて、原案は僕が作らせてもらいました。BE:FIRSTのRYOKIとSHUNTOと作った「MF」は自分の手形を撮影して、それをデータ上でいじくって色を変えて、ディストーションをかけました。丸々、自分で作らせてもらったジャケットでいうと、「iCoN」は写真を撮る段階から密にやり取りさせていただいて、ロゴも自分で作って。テクスチャーの割れている感じも、自分が作ったものを貼らせてもらいました。「​TROUBLE」も自分のロゴを立体にして左右反転させて、文字を歪めて作りました。

――シングルとアルバムだとアートワークの方向性も変わりますか。

Novel Core  アルバムはコンセプチュアルなので、どの曲を再生したときでもジャケットに違和感がないように作らないといけないので難しいんですよね。特に最近は超静かな曲も入っていれば、めっちゃロックな曲も入っているのでシンプルにせざるを得なくて、余計な情報を入れられないんです。