撮影に臨む前にヒップホップを聴く

――本格的にお芝居をやりたいと思ったのは、いつ頃ですか。

平 初めてドラマの撮影を経験して、そのときは本当に難しくて、自分には向いてないかもと思ったんです。もちろん呼んでいただいたのはうれしかったのですが、不安のほうが大きくて、その気持ちのまま現場に行っちゃったからガチガチで。監督からも、「硬すぎるよ」と言われました。でも、その経験があったからこそ、よりお芝居について勉強するようになったし、緊張しない方法も自分で考えるようになって。そのタイミングで『太陽がしょっぱい』の現場だったので、リラックスして撮影に臨めました。現場の雰囲気も良くて、楽しかったので、ずっとお芝居を続けていきたいなと思いました。

――ちなみに緊張しない方法とは?

平 とにかく練習しまくることです。あまり台本を読み過ぎるのも良くないと言われたのですが、まだまだ私は経験が浅いですし、別のことをしていても自然とセリフが出るくらいまで覚えます。あとは本番直前に音楽を聴くことです。

――そういうときもヒップホップを聴くんですか?

平 そうです。頑張ろう!というときに聴くのがguca owlさんの「DIFFICULT」で、心を落ち着かせたいときはYo-Seaさんの「Sea of Love」というアルバムを朝から聴きます。Yo-Seaさんは沖縄出身なのですが、私は海や島が大好きなので、海を連想させるような穏やかな曲が心地良いんです。

――今年4月には初舞台となる「ACTORS STAND vol.1」にも出演したんですよね。

平 初舞台が決まったときも、不安が大きかったのですが、一緒に演じるのが事務所の先輩方で。事務所の先輩方とお仕事するのが夢だったので、頑張ろうという気持ちになりましたし、安心感もありました。

――舞台は発声法も違うから大変だったのではないでしょうか。

平 最初は「全然声量が足りていない」と先輩方に言われて、「自分の最大限の声を超えるぐらいの声量でやってみて」とアドバイスもいただきました。それを続けていたら徐々に声が出るようになりました。あと、おうちのお風呂で、大声で歌っていました(笑)。

――「プレバト!!」の出演で、お茶の間の知名度も上がったかと思いますが、どういう経緯で出演することになったんですか。

平 もともと絵を描くのが得意だとマネージャーさんに話していて、描いた絵も見せていたら、それを「プレバト!!」のスタッフの方に送ってくれて、「番組に出てみませんか?」と言っていただいたんです。

――小さい頃から絵を描くのが好きだったんですか。

平 好きでした。特に高校1年生のときにコロナ禍で学校に行けない時期があったので、家族から「いつまで描いているの?」って言われるぐらい一日中、好きなアニメのキャラクターをコピックで描いていたんです。

――たとえば、どういうアニメのキャラクターですか?

平 『ヒロアカ』(僕のヒーローアカデミア)、『ハイキュー!!』、『進撃の巨人』、『ドラゴンボール』などです。

――少年マンガがお好きなんですね。一番描いていたキャラクターは?

平 『ヒロアカ』の爆豪勝己です(笑)。

――「プレバト!!」は水彩画で、風景画を描くことが多いですよね。

平 あまり風景画を描いたことがなかったので不安だったのですが、意外と描けました!

――「プレバト!!」の反響はいかがでしたか?

平 すごかったです。それまでSNSのフォロワーは、同世代の女の子が多かったのですが、上の世代の方も知ってくれて幅が広がりました。

――俳優としての、今後の目標をお聞かせください。

平 まだまだ経験が足りないので、今後もお芝居の勉強をたくさんしつつ、いろんな役を演じたいなと思っています。映画やドラマはずっと残っていくものですし、人の心を動かせる俳優さんになりたいです。

Information

映画『太陽がしょっぱい』
新宿ケイズシネマにて公開中

重松りさ/金野美穂/赤間麻里子/野村たかし/小田原さち/速水今日子/平美乃理/松尾潤/斉藤天鼓/梁瀬泰希/小浜桃奈/永田彩葡/安部一希/静谷篤

監督:西川達郎
脚本:池亀三太 西川達郎
企画・プロデュース:内田英治

由緒正しきお寺の娘である河合美波は、愛知・豊橋の⽥舎で育った高校2年生。友達の彼氏の話を聞いたり、暇つぶしにSNS動画を見ては、のほほんとした⽥舎生活を過ごしていた。そんな折、中学生の同級生、花怜の動画を見つける。なんと花怜はぱっちり二重まぶたに大変身していた。パッとしなかったあの花怜が、キラキラモテ女になっていることに驚く。自分も整形をしたいと家族に打ち明けるが、大反対をくらう。そんな中、美波は決意する。美波は整形に向けて行動を起こし始めるが、様々な価値観が交差するなか、美波は整形をするのか?

公式サイト
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平 美乃理

2004年6月28日生まれ。岡山県出身。2021年、「ミスセブンティーン2021」グランプリを受賞、『Seventeen』専属モデルとなる。2023年、俳優デビュー。バラエティでも活躍し、「プレバト!!」で水彩画の腕前が話題となる。

PHOTOGRAPHER:YUTA KONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI