歌手デビュー20周年に向けた思い

――3曲目「流氷に消ゆキラリ」は、ゲーム『北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の主題歌ということで、これまたアツいですね。

中川 まさか堀井雄二さんが人生で初めて作詞した楽曲を歌えるなんて、そんな光栄なことはないですし、過去のすべての瞬間の自分に言いたいですね(笑)。やっぱり、みんなそうだと思いますけど、幼少期はドラクエで育ったので。ドラクエのおかげで東とか西とかそういう概念を覚えたようなものですからね(笑)。「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」のファミコン版のソフトも家にあって、ドット絵の中山めぐみさんがバスタオルを脱いでくれるという裏技があるんですけど、その重要なお色気お姉さんの声もやらせていただきました。私も機が熟したんだなと思って嬉しかったですし、しかも、ちゃんとバスタオルも取ってくれるんですよ(笑)。ちなみに、堀井さんとはとてもご縁があって街でばったり3回くらい会ったこともあるんです。面白いですよね、ご縁って。

――堀井さんの歌詞はいかがでしたか?

中川 氷の美しさや儚さ、繊細さだけではなくて、時に冷たい女神の残酷さみたいなものも感じられて、「オホーツクに消ゆ」なんですけど“ドラクエみ”も感じてしまうというか、これは堀井さんにしか書けない言葉だなと思いました。この曲を歌いこなしていくためには、もっと年齢というかレベルを重ねて、貫禄が増してから歌えたり表現できたりしたらいいなと思いました。実は『ファミリーヒストリー』という番組でご先祖様も調べてもらったら、ルーツが北海道にあったんです。だから、北海道の歌を歌えるというのも運命的だなと感じています。あとは、作曲・編曲のヒャダイン(前山田健一)さんは公私共に超絶仲良しで、氷属性の名前の持ち主だし、本当に導かれてこの曲に出会えたんだなと思います。

――トリプルタイアップ3曲すべてに、ご縁や運命的なものを感じますね。

中川 本当にそうなんですよね。まさに“塗り潰したりしないで 全てを引き受けたら”という考え方に切り替えて、これからは心が「ACROSS THE WORLD」の曲のようになればいいなと思いますし、何があっても乗り越えていける気がしています。何と言ってもガンダムシンガーになれたんですからね(笑)。長生きしろよ、死ぬんじゃねーぞ、私…って心から思っています。

――中川さんのお話を聞いていて、こちらもゾクゾクしてしまいました。これからも長く歌手活動、芸能活動を続けていって、いつか振り返った時に2024年は中川さんにとってどんな年になっているでしょうかね?

中川 間違いなくターニングポイントだと思いますね。人生が変わるような楽曲に巡り合えたので。あと、リリイベで本当にたくさんの子ども達と出会ったんですけど、「大きくなったら何になりたい?」って将来の夢を聞いた時に、5歳くらいの男の子が「しょこたんみたいな優しい人になりたい」って言ってくれて、嬉しすぎて倒れこんでしまったんです。これからもワクワク楽しそうな背中を子ども達に見せられるような大人になりたいなと思いましたし、そんな素敵な出会いに溢れた特別な1年に感謝したいです。

――ちなみに、2006年に歌手デビューした時には、ここまで長く歌い続ける自分を想像できていましたか?

中川 いや、正直ここまで長く歌い続けてこられるなんて思ってもいなかったです。でも、「空色デイズ」を出した時のことは昨日のことのように覚えていて、色んな場所で歌ってきましたけど、今では海外で日本語で歌っていただけるようにもなって、そして、今年「ACROSS THE WORLD」にたどり着いて…、振り返ってみるとあっという間でしたけど、すべてが奇跡だったなと思っています。

――歌手デビュー20周年が見えてきたと思いますが、周年を意識したり、何か計画を考えていたりするのですか?

中川 実は、10周年の時には何もなく終わってしまったので、20周年という節目は何か形にしたいと思っています。経歴自体は数えるのが怖いので嫌なんですけど、子役を5歳の頃からやっているので、そこから数えると今年34年目らしいです(笑)。歌手デビュー20周年の時には、ちゃんとコンサートやイベントができたらいいなと思いますし、ファンの皆さんと会えたり振り返れたりするいい機会だと思うので大事にしたいと思います。

――それでは、最後の質問です。歌手・中川翔子としての今後の夢や目標を教えてください。

中川 アニメソングを歌い続けたいということが常に夢の真ん中というか、人生のど真ん中にあるんですけど、尊敬する小林幸子さんや森口博子さんといった歌い続けている大先輩の姿を見ていると、皆さん新しいことを全部楽しんでやってらっしゃるんですよね。そんな自分らしく楽しんでいる姿勢に憧れます。好きなことも夢も、ひとつじゃなくていいと思いますし、歌だってそうですよね。例えば、私はシャンソンをもっと歌えるようになりたいと思っていて、ディナーショーでは「愛の讃歌」に挑戦したことがあるんです。歌声って若い時ならではの声もありますけど、傷ついたり悩んだり泣いたりすることが説得力や貫禄に変わっていって、深みが増していくんだろうなと思っているので、これからもシャンソンには挑戦していきたいです。あとは、尊敬するしますえよしおさんというシャンソン歌手の方みたいに、歌手としても油絵の画家としても活躍されているそんな歌手になりたいですね。

Information

<RELEASE>
New Single「ACROSS THE WORLD」
好評発売中!

①完全生産限定盤
(SRCL-13022~23 / 税込8,800円)
・CD
・“中川翔子”絵柄アクリルスタンド(全4種のうちランダムで1種を封入)
・『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』“デルタザイン”絵柄アクリルスタンド(全1種)

②通常盤
(SRCL-13009 / 税込1,300円)
・CD only

【CD収録曲(共通)】
1.ACROSS THE WORLD・・・長編VR映画『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』主題歌
2.PEAKY・・・「eゴッドイーターTRIPLE BURST」主題歌
3.流氷に消ゆキラリ・・・Nintendo Switch™/Steam®向けゲーム「北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~」主題歌
4.ACROSS THE WORLD (Instrumental)
5.PEAKY (Instrumental)
6.流氷に消ゆキラリ(Instrumental)

※同時発売『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』主題歌&オリジナルサウンドトラック(音楽:池田善哉)にも「ACROSS THE WORLD」を収録

①完全生産限定盤(アナログ盤)
(SRJL-1128 / 税込5,000円)
アナログレコード・カラーヴァイナル仕様・新規描き下ろしジャケット

②通常盤
(SRCL-13024 / 税込3,000円)
CD only

中川翔子

タレント、歌手、イラストレーター俳優、YouTuber。1985年5月5日生まれ、東京都出身。愛称は“しょこたん”。06年7月、シングル「Brilliant Dream」でCDデビュー。「空色デイズ」などのヒット曲をリリースし、07年には『第58回 NHK紅白歌合戦』に初出場を果たすなど他にも数々の人気アニメや映画の主題歌を担当し、その知名度は世界にも広がっている。11年にはディズニーアニメ『塔の上のラプンツェル』で主人公ラプンツェルの日本語吹替を担当。24年にはディズニー公式のイラストレーターとして描き下ろした「RAPUNZEL ART COLLECTION BY SHOKO NAKAGAWA」のアートがグッズとして販売されるなど大きな注目を集める。多くのドラマやアニメ、ラジオ、バラエティに出演するなどマルチな才能を活かして各分野で活躍中。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:ATSUSHI OINUMA,HAIR&MAKE:TOH(ROOSTER),STYLIST:MASUMI MIYAZAKI(likkle more)