栁俊太郎さんはお兄ちゃんのような存在だった
――一番共演シーンの多い栁さんの印象はいかがでしたか。
八村 僕がこの世界に入る前から、俊さんは雑誌や映像作品で見ていて、憧れの存在だったので、W主演で共演できるのが本当にうれしくて。一見するとクールな雰囲気ですが、すごく接しやすくて。僕のおしゃべりに乗ってくれますし、僕の現場以外での活動にも目を通してくれて、「昨日テレビに出ていたよね」と声をかけてくれるんです。現場が終わった後、ご飯に連れて行ってくれた日もあって、お兄ちゃんみたいな存在でした。お芝居のときも助けていただくことが多かったですね。
――岡田さんの印象は？
八村 コミュニケーションを取られるのが上手な方です。僕がカップルシーンの経験に乏しかったので、緊張もしたんですが、本番が始まるまでフレンドリーに話してくださって。ユウの中でメグミは心の拠り所なので、岡田さんの優しい雰囲気に助けてもらいました。
――アクションシーンは血糊の量が凄まじくて圧巻でした。
八村 ですよね！血糊って落ちにくいんですけど、スタッフの皆さんが集中して、綿密にリハーサルをしてくださったから出来たシーンです。スタッフさんが集中していると、より演者側も気持ちが引き締まるんですよね。スタッフの皆さんも気さくな方が多くて、楽しむところは楽しむというスタンスだったので、自分としてもありがたかったですし、集中するときは集中するという切り替えがしやすい現場でした。
――映画ならではのやりがいを感じる部分はありましたか。
八村 スピーディーに撮っていくドラマも、短い時間でいかに集中できるかというところでやりがいを感じるんですが、映画は一つひとつのシーンに対しての向き合い方が濃いなと思いました。今回の映画も時間に追われての撮影ではあったんですが、じっくりと役と向き合うことができたんです。今回はスタッフさんも少数精鋭で撮影に臨んでいて、一つのシーンを撮影するのに結構な時間をかけたので、自分の中でたくさんシミュレーションできる場面も多くて、それによって集中する時間も長くて。今回の撮影で得た経験は大きいですね。
――お芝居の経験がグループ活動にも生かされているなと感じるときはありますか。
八村 お芝居で培った集中力、アーティスト活動で培った集中力、それぞれが支え合って生きていると思います。自分で意識している訳ではないですが、一曲の中で表現する世界観と、お芝居での表現は通じるものがあるはずです。
――WATWINGというホームがあるから、ソロ活動も頑張れるところはありますか。
八村 間違いなくあります。自分にはWATWINGがあるんだという自信を胸に臨むことができますし、一人で外に出ることで、帰ってきたときに客観的にグループを見ることができます。それも自分を支えてくれるメンバーあってこそで、いつでも「行っておいで」と背中を押してくれるので救われていますね。
Information
『他人は地獄だ』
全国公開中
出演：八村倫太郎（WATWING） 栁俊太郎／岡田結実
三浦健人 青木さやか 大倉空人 鈴木武 松角洋平 星耕介 日比美思 大野泰広 本多遼
濱津隆之／萩原聖人 ほか
原作：『他人は地獄だ』ヨンキ（「LINEマンガ」連載）
監督・脚本：児玉和土
配給：イオンエンターテイメント
企画製作：映画「他人は地獄だ」製作委員会
©︎ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会
地元での生活に閉塞感を覚えていた青年ユウは、上京して恋人のメグミを訪ねる。ユウは同棲したいことを伝えるが、突然の訪問に困惑した態度をとるメグミとは結局ケンカになってしまい、行く当てを失くしてしまう。そして、ユウは格安シェアハウス「方舟」に流れ着く……。そこにはヤクザ風の粗暴な山口、いつも卑屈な笑顔を浮かべているマル、妙に愛想がいい管理人のよし子、挑発的な言葉を投げかけるゴロ―、そして言葉遣いは丁寧だが、得体のしれないキリシマなど一癖のある入居者と出会う。入居した夜、山口とマルの口論を目撃したユウ。その翌朝には「方舟」から突然、山口の姿は消えていた。まだ半年はここにいると山口から聞いていたユウは言い知れぬ不安を覚える。やがて入居者たちの不気味な行動や会話からある疑惑が思い浮かぶ。それは…彼らは新たに入居してきた人間を殺害しているのではないというものであった。はたして入居者たちの正体とは？ユウはこの地獄のような場所から無事抜け出すことはできるのか？
八村倫太郎
1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。2019年、ホリプロ主催のStar Boys Auditionに応募し、ダンス&ボーカルグループ「WATWING」のメンバーに選出。2021年、ドラマ「ホメられたい僕の妄想ごはん」（BSテレ東）で俳優デビュー。2022年に出演したドラマ「君の花になる」（TBS）では劇中に登場する7人組ボーイズグループ「8LOOM」のメンバー・一之瀬栄治を演じ、大きな話題となる。2023年には「佐原先生と土岐くん」（MBS）でドラマ初主演を務める。他にも2024年から「王様のブランチ」（TBS）にレギュラーで出演するなどアーティスト、俳優、タレントして活躍。『他人は地獄だ』が自身にとって映画初主演となる。「WATWING」としては2024年2月に日本武道館を成功させ、同年11月には幕張メッセでの公演も成功させた。
PHOTOGRAPHER：TAISHI OGIWARA,INTERVIEWER：TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE：MISU（SANJU）,STYLIST：三島和也（tatanoa）
