おしゃれとファッションが好きでオーディションに応募

──碧衣について、政成和慶監督から何か指示はありましたか。

中川 キャラクター的なところでは特に言われなかったんですが、演出のときに「このセリフを言った後にホロッと涙を流してほしい」と言われたり、陰のある碧衣ではなくてキャピキャピした碧衣を演じていたら、「ちょっとかわい過ぎるので、もうちょっと落ち着かせてください」とうれしいNGをいただきました(笑)。

──すぐに女子高校生になりきれました?

中川 撮影は当時24歳で、碧衣は18歳だったので、自分の高校時代や、そのときの友達を思い出しながら演じていました。

──W主演の高橋改さんのお芝居はいかがでしたか。

中川 碧衣のクラスメイトの卓になり切って、おどおどした雰囲気の役作りをしっかりされていたので、すごくやりやすかったです。

──異世界のシーンは現場の雰囲気も違いましたか。

中川 CGが必要なシーンはグリーンバックで撮影したので、スタッフさんの人数も少なくて、とにかく静かでした(笑)。現実世界は他の学生もいてワチャワチャしていたので、それがなくて静寂。しかも撮影場所が暗い学校で静かだったので、よりリアルでした。

──ここからはキャリアについてお伺いします。中川さんは第14回ニコラモデルオーディションでグランプリを受賞して芸能の世界に入りますが、その頃からお芝居に興味はあったのでしょうか。

中川 もともと、おしゃれとファッションが好きで、純粋に楽しそうだなと思って「ニコラモデルオーディション」に応募したので、そのときはお芝居のことは考えていなかったです。

──最初は地元の奈良から通っていたんですか。

中川 そうです。中学生まで奈良にいました。月一回程度のペースでお芝居のレッスンも受けていました。本当にやり方が分からなかったので、楽しいとか難しいとかも分からない状態でしたね。

──俳優デビューはいつですか?

中川 高校1年生のときに、岩井俊二監督が演出されたキットカットのCMオーディションに合格して、そのCM出演が初めてのお芝居の仕事でした。そこから映画、ドラマに少しずつ出演させていただくことが増えて。『nicola』の読者層は小中学生なので、ニコラモデルは高校1年生いっぱいで卒業しました。

──CM撮影のことは覚えていますか?

中川 覚えています。食べながら笑うみたいなお芝居が難しかったんですよ(笑)。ただ、そのときに難しいけど楽しいと感じました。

──上京したのも、それぐらいの時期ですよね。

中川 そうです。毎週土日に新幹線で東京に通うのが大変だったので、高校生になるタイミングで「上京したい」と親に言いました。