3人のキャラクターを聴き比べして楽しんで

――”愛されたい女の子”がテーマとなっている「三文私売」ですが、なぜこのテーマにしたのでしょうか?

あたし それぞれ日常的に感じやすい、 感じることもあるような感情を書いていただきました。私は引きこもりがちで、24時間ずっとと言っていいほどインターネットを見ているのですが、その中で感じたことや表現したいことを、今回の楽曲制作に携わってくれているクリエイターさんに伝えました。

「傀儡合い」に関してはちょっと違うんですけど、他の2曲は私の方から主人公の女の子の性格とか、キャラクターを決めて。「落第」は依存しやすかったり、一人では生きていけない女の子のお話で、「ワルキューレ」は自分の意思で依存とかするというよりは、自分の力で欲しいものをつかんでいく女の子を表現したかったんです。

――1曲ずつの魅力はもちろん、3曲合わせて聴くとさらに広がりを感じますね。

あたし タイトルは、「三文芝居」という言葉をもじったものになるのですが、“クサイ芝居”とか“展開が分かりやすい”という意味を持つ言葉に、3曲に共通するエッセンスを加えてオリジナルの言葉にしています。感情を誇張して書いていただいた部分もありつつ、皆さんが日常的に感じることや感情が1つでもあると思うので、この3人のキャラクターをぜひ聴き比べして欲しいです。

――この3人のキャラクター像はどの様に浮かんだのでしょうか。

あたし 時間はかけているのですが、めちゃくちゃ行き詰まったという感じではなかったと思います。アーティスト活動の中でというよりは日々生活している中で感じたことをお伝えしています。だからこそ、ありがたいことに「共感した」と言っていただけることもあるのかなと思います。

――楽曲を受けたとった時のファーストインプレッションはいかがでしたか。

あたし どの曲もすごくかっこいい曲で、私が表現したいと思っていた女の子像を細部まで汲み取ってくださった楽曲になっていたんで、単純に嬉しい気持ちでいっぱいでした。「落第」と「ワルキューレ」に関してはスラッと歌える様な楽曲でしたが、「傀儡合い」はとても苦戦しました。ワードが詰まっている箇所が多くて、滑舌の練習をしながら歌いました。でもそれもすごく楽しかったです。

――3曲を歌ってみて学びを得たことはありますか?

あたし 今までは自分で歌詞を書くことも多かったんですけど、今回は書き下ろしということで、それぞれ異なるボカロPさんに歌詞を書いていただいて。自分では出てこない言葉、言葉遣いだったりとか、発想がすごく面白くて。「こういう表現の仕方もあるんだ」という驚きがあったので、良い学びを得ました。