同世代というのもあって、すぐに打ち解けて喋りやすかった現場
──「つづ井さん」の原作を読んだ印象はいかがでしたか。
谷まりあ(以下、谷) 一言で「面白い!」。「こんなことある?」とツッコみたくなるところがたくさんあって、笑っているうちに気づいたら読み終わっていました。もっと知りたいという欲がどんどん生まれてくる不思議な魅力を持った5人ですね。それまで腐女子について詳しくなかったんですが、「つづ井さん」を通して腐女子ってイケてるなみたいな。それぞれ好きなことがあって、いいメンバーだなと思いました。
──ご自身が演じたオカザキさんにはどんな印象を受けました?
谷 5人の中では一番ふわふわしていると思うんです。天然でやるかわいい仕草もあるし、いつも格好がラブリーでワンピースやピンク色の服を着て一番女の子っぽい。でも自分のことをかわいいと思っているというよりは“かわいい”が好きだから追求している気がして。一方で古文が好きという文学的で深いところもあって、発するセリフが深いので、秘めた才能を持っているのかなと。言葉は短いけど的確で、合いの手も上手いんですよね。
──5人の中では裏回しというか。
谷 聞き上手なんですよね。つづ井さんのお話を聞くために一緒にカフェに行くし、劇を見に行くのにも付き合うし、つづ井さんが感じていることを察して何も言わずに笑顔で見守りながら一言を待つ。ちゃんと相手のことを見ているんですよね。そこを意識して演じました。
──一見ふわふわしてるけど、実はしっかり者だと。
谷 普段からかわいくしていることも、ブレずに同じような系統の洋服を集めることも裏に努力があるからだと思うので、努力家で意志が強い子ですよね。
──喋り方で意識したことはありますか。
谷 ぶりっ子にならないように気をつけました。でも仕草はかわいくありたかったので、ナチュラルでやっているかわいさを探求したつもりです。
──使う言葉も独特ですよね。
谷 見た目と言葉のギャップを感じたので、「オカザキさんってちょっと変わってるね」と思われてもいいのかなと。ちょっと人とは発想が違うところに持っていけるように、突き抜けた演技を目指しました。
──オカザキさんは不在だったそうですが、本物のつづ井さんと友達の3人にお会いしたそうですね。
谷 イメージ通りの4人でした。たとえばゾフ田さんのボソッて言ってる感じがリアルで答え合わせをしているみたいで。創作の部分もあるのかと思っていたら、原作そのままで、同世代の5人が集まって仲良くバランスも取れているのが素敵だなと思いました。
──メインキャストの4人は皆さん初共演ですか?
谷 そうです。皆さんお芝居の経験が豊富なので、初日は緊張して行ったんですが、主演の(藤間)爽子さんを始め、みなさん明るくて。同世代というのもあって、すぐに打ち解けて喋りやすかったです。とにかく毎日楽しかったですね。