横浜流星さんはお芝居に真摯に向き合っているのが伝わってくる

――ドラマ「わかっていても the shapes of love」のオファーがあったときのお気持ちからお聞きかせください。

南沙良(以下、南) 原案になった韓国ドラマを見ていたのですが、映像が美しくてミュージックビデオを見ているような感覚でした。とても素敵な作品なのでうれしい気持ちもありつつ、韓国ドラマが好きなファンの方にも受け入れてもらえるような作品にしなければいけないというプレッシャーもありました。

――初めて今回の脚本を読んだ印象はいかがでしたか。

南 舞台を鎌倉にするなど、韓国ドラマとは設定などが変わっていて、感情移入しやすいという印象でした。私が演じた美羽に関して言うと、美術大学で彫刻学科の助手として働きながらも、彫刻家としての夢を諦められない女性で。同じ美術大学に特別臨時講師として海外から赴任してきた漣に出会い、惹かれて。過去に大きな失恋を経験して、二度と恋をしないと思いながらも踏み出してしまう、そんな繊細な部分をちゃんと表現できたらなと思いました。

――彫刻学科の助手ということで何か事前準備はしましたか。

南 彫刻の作業をナチュラルにできたらいいなと思って、実際に先生に教えていただいて練習しました。あと美羽は27歳ですが、撮影していたときの私は21歳で。27歳に見える喋り方のトーンやしぐさを意識しました。

――漣に惹かれる部分はありますか。

南 ありますね。飄々とした雰囲気で何でもやってのける姿が憎らしいなと思いながらも、何か気になっちゃうみたいな。

――漣を演じた横浜流星さんの印象はいかがでしたか。

南 お芝居に真摯に向き合っているのが伝わってきて、とても尊敬できる方です。気遣いもすごくて、私はとんでもなく人見知りなんですが、いろいろ話しかけてくださったり、面白い顔をしてくださったり(笑)。今回のキャストでは私が一番年下だったんですが、横浜さんを始め、みなさん優しく接してくださって和やかな現場でした。同じ事務所の桃ちゃん(福地桃子)もいて、共演は今回が初めてだったんですが、昔から知っているので助けられました。

――中川龍太郎監督の演出はいかがでしたか。

南 事前に細かい指示はなくて、まずはやってみてから、気になるところをすり合わせていくことが多かったです。素直で正直な方で、私のことを「すぐに顔に出るよね」と仰っていたんですが、私からしたら中川監督のほうが顔に出るんですよ(笑)。基本いつもニコニコしているんですが、カットがかかった後、「今ので良かったんだな」とか、「ちょっと違ったのかな」とか、表情で分かるんです。