のど自慢から10年、憧れの水樹奈々と共演

――昨年2024年は、ワンマンライブの開催や『KING SUPER LIVE 2024(通称:キンスパ)』への出演、初のフォトブック発売など、とても充実した1年だったように見えるのですが、振り返ってみていかがでしょうか?

岡咲美保(以下、岡咲) 声優活動ももちろん、『転生したらスライムだった件』の第3期があったりしてとても充実していましたが、やっぱりアーティスト活動が充実していた1年だったという印象が強いです。アーティストとしてお仕事させていただいた時間も長かったですし、ステージに立たせていただいた回数も一番多かった1年だと思います。キンスパのお話も出していただきましたけれど、私がまだ声優学校に通う前、地元の岡山県で『NHKのど自慢』に出場して、ゲストの水樹奈々さんの前で「DISCOTHEQUE」を歌った時からちょうど10年が経ったんです。この10年間、もちろん楽しいことだけではなく、自分なりに色々ともがくこともありましたし、壁だと感じるようなこともその都度ありました。でも、今年は奈々さんと一緒にキンスパのステージで「DISCOTHEQUE」を歌うという、本当にあり得ないような経験させていただいて、唯一無二の感覚を味わうことができました。

――のど自慢からキンスパへの10年、改めて聞いてみてもすごいストーリーですよね。

岡咲 あれから本当に10年経ちましたが、高校生の頃の私が喜んでいると思います。2024年というか、私の人生の中で最も濃い数分間だったなと思っています。奈々さんファンの皆さんは本当に温かくて、客席でペンライトの光が揺れる光景を見て、この場所に立てて本当に良かったと心から思いました。

――昨年は、初のワンマンライブもありましたが、そちらはいかがでしたか?

岡咲 昨年はワンマンライブを2回開催させていただきました。私はコロナ禍のデビューだったので、実際に私だけを観に来てくださるファンの方がどのくらいいるのかな?と不安に思うこともあったんですけど、緊張していた1stワンマンライブの幕が上がって、私のアーティストカラーの黄色のTシャツとタオルとペンライトを見た時に、あぁ、大丈夫だという安心感というか、ステージに立つことに納得できたような感覚がありました。今までの10年間の物語にいったん区切りをつけて、また新たにアーティスト・岡咲美保として歩き出すスタート地点になったというか、2024年はそんな節目の年になったのかなと、振り返ってみて改めて実感しています。

――本当に濃く充実した1年だったことが伝わってきましたが、何かご自身の中で成長や変化を感じる部分はありますか?

岡咲 2024年は受動的ではなく、自分の心と体で歩めた気がしています。ワンマンライブでは、着てみたい衣装やセットリストや演出など、自分がやりたいことをチームのみんなに受け入れてもらえて、自信を持ってパフォーマンスできて、それがファンの方にも届いて…というとても良いサイクルで循環したなと思っています。ここまで色々なことに納得できた年は初めてだったと気がしています。

――2025年に入りましたが、毎年、新年の目標を立てるタイプですか?

岡咲 私は細かい目標はあまり立てないです。逆に、立てた目標は絶対に覆さないというタイプですかね(笑)。人生でも振り返ってみると、細かい目標というのは立てたことはほとんどなくて、「声優になる」とか「上京する」とか、一度そういう大きな夢を掲げたら、ずっとそれを言い続けて実現していくという感じです。直近ではワンマンライブの時にファンの方に「アーティストとしていつか武道館に立ちたい」という約束をしました。これからも言霊じゃないですけど、自分の中で繰り返し言って刷り込んでいきたいなと思っています。夏には3rdワンマンライブの開催が決まっています。今のライブ会場のキャパからすると、武道館はまだ夢のまた夢かもしれないですけど、ありがたいことに自分はミラクルに恵まれてここまで来ているので、それこそ、奈々さんと同じステージに立てたことを思えば、この夢も言い続けて努力して、ファンの皆さんに誠実に答えていたら、きっと大丈夫だと思っています。

――ありがとうございます。ここまでのお話で、とても芯の強さを感じています。

岡咲 ずっと言い続けることで、自分を強くしていくというスタイルでここまでやってきました(笑)。