役に近づけるためにデビューして初めて髪を染めて、過去一の短髪にした
――椿さんはたくさんの舞台に出演していますが、久しぶりのドラマ出演で、映像との違いを感じたことはありますか。
椿 僕は普段から声がデカい上に、声を張る舞台が多かったので、自然な感じでセリフを言うのが大きな違いでしたし、難しいところでもありました。その前に撮影があった映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』は高校生役だったので、よりナチュラルなお芝居を求められたんですが、それを経験したことで、逆に格闘家を演じるにはどうしたらいいのか戸惑いもあって。当初は拳心を変に作り込んでしまって舞台っぽくなっちゃっていたので、クランクインしてからも試行錯誤していました。
――子役時代の経験が活かされることもあったのでしょうか。
椿 正直、子役時代のことは覚えていなくて(笑)。しかも当時は色が白くて細かったので、病人の役が多かったんですよ。それが子役を辞めた原因の一つで。小学校を早退して、お仕事に行ったら病人の役で、「本当は元気なのにな……」と思いながら演じていた記憶があります。
――主人公・鈴木青葉と拳心という対象的なキャラクターという点で意識したことはありますか。
椿 「レッドブルー」というタイトルの通り、二人の対比が魅力的な作品です。最初みんなに愛されるのは拳心だと思うんですが、根暗な日陰者がトップになっていくという物語なので、徐々に青葉のことを応援したくなる。僕自身も青葉に惹かれましたからね。そうすると拳心は根っからいい奴なのに、途中から嫌な奴に見えてくるんです。拳心は常に真っ直ぐなことを言っているんですが、その悪気のなさがイラっとするところでもある。そのイラッとさせる感じがクセになったらいいなと思いながら演じました。拳心を恨んでくれてもいいし、かっこいいと思ってもらってもいい。そうやって誰を応援するかによって見え方が変わってくるのも醍醐味ですね。
――今回が椿さんにとって、コミックが原作の作品は初挑戦となりました。原作の拳心に近づけようという気持ちは大きかったですか?
椿 大きかったですね。原作ファンの方もいらっしゃいますし、ガラッと変えてしまうのは違うのかなと。そのためにデビューして初めて髪を染めて、過去一の短髪にしました。でもポスター撮影の後にプロデューサーから、「もっと短くしたほうがいい」と言われたんです。それでマネージャーさんと相談して、さらに4センチぐらい短くしました。
――改めてドラマの見どころをお聞かせください。
椿 普段交わることのなかったグループのメンバーが集結して、高校生役を演じていますが、様々な理由でMMAに向き合い、それぞれ闘志の燃やし方も違います。普段MMAに興味のない方でも見ごたえのあるドラマになっています。あと、これでもかというぐらいみんなの鍛えた体を見れるので、ファンの方は肉体美を堪能していただければなと思います(笑)。