クランクインの3ヶ月前ぐらいから筋トレを始めた
──ドラマ「レッドブルー」に合わせて、事前に体作りをされたそうですね。
木村慧人(以下、木村) クランクインの3ヶ月前ぐらいから筋トレを始めて。ほぼ毎日1時間ぐらいかけてやって、前から着ていたTシャツがピチピチになりました(笑)。脂肪ではなく、筋肉が増えたので、メンバーからも「体つきが変わった」と言ってもらえてうれしかったです。
――食事の管理も行ったのでしょうか。
木村 基本、ラーメンや揚げ物などは食べないで脂質を避けていましたが、ちゃんと量は食べていました。多いときはお米を朝昼夜で300gずつ食べましたし、合間でおにぎりを食べる日もあって。普段からダンスをやっているし、筋トレのほかに格闘技レッスンもあったので、それだけ食べても太らないのは新たな発見でした。
──もともと格闘技の経験は?
木村 本格的な経験はないですが、「EXFIGHT」という事務所経営のジムがあって、そこでミット打ちはちょこちょこやっていました。
──木村さんが演じたのは日陰者の道を歩んできた根暗な高校1年生・鈴木青葉ですが、どんな印象を受けましたか。
木村 心を開いた人には素直に自分の姿をさらけ出せるめちゃくちゃかわいいキャラクター。休み時間にみんなの特徴をメモるところは、根暗な青葉だからこそできることだし、メモるだけではなくて、それを頭に入れて行動に移す姿もかっこいいですね。僕自身、人のことを観察するのが好きで、それをお芝居に取り入れることも多いので、青葉に共感しました。あと屈折しているけど、自分の思いは真っ直ぐ伝えるところが素敵で。僕もこうと思ったことは伝えるタイプなので、そういうところが似ているなと感じました。
──毎回、試合のシーンが大きな見せ場ですが、その辺の大変さはいかがでした?
木村 アクションを覚えるだけでも大変なのに、カットを割って撮っていくので、気持ちを繋げなきゃいけないのが大変でした。それに試合の流れを覚えても、その通りにいかないんです。お互いに本気で力をかけるし、たとえばタックルのタイミングとかも一つ違えば怪我をしちゃうし、何かあったら撮影も止まってしまう。普段はアーティストもやっているのでパフォーマンスに支障が出ないようにしないといけなくて、1回1回の集中する具合がヤバかったです。
──基本は順撮りですか?
木村 そうですね。だから最初は難しいところもあって。ある程度、クランクインの前に練習しているのに、序盤では格闘技初心者の青葉を演じるわけですからね。僕自身は三角締めを綺麗に極められるのに、青葉を演じているのであたふたしながら技をかけなきゃいけないんです(笑)。
──試合シーンは演技とは思えない迫力があります。
木村 人を殴るって申し訳ない気持ちがあってメンタルが削られるんですよね。でも監督やアクション監督から、グローブを付けているから「当てろ」と言われて。やっぱり実際に当てたほうが臨場感も出るし迫力も出るんです。ただ、そこは相手も同じ気持ちだし、たとえば玉松光太を演じた(山下)永玖くんは、「気にせず来てね」と言ってくれたので、試合のシーンに集中することができました。