キラフォレ“へなぎP”の語るアイドルファンの熱量とシーンの移り変わり
――アイドルイベントのプロデュースにはじまって、へなぎさんはアイドル業界に関わって23年以上だそうですね。元々はファン側で、現在はプロデューサーの肩書きですが、アイドルシーンの魅力は?
へなぎ 僕の主催する音楽イベントではジャンルを問わず、様々な出演者を呼んでいますが、アイドルはとりわけファンの熱量が段違いとも思っています。アイドル界では平日にイベントを開催するのも定番ですが、推しのために休みをとってまで駆けつけるファンは、他のジャンルではあまりみられないと思うんです。バンドやアニソンでは「仕事があるから無理」と泣く泣くあきらめるでしょうし、そもそも、平日にイベントを打つのもまれ。平日か土日祝日かを問わず「会いたい」と思わせてくれるのは、アイドル界ならではです。
――かたや、プロデューサーの視点から見る課題もありますか?
へなぎ 「カワイイ」で一発デカい花火を打ち上げるような、瞬間的な話題性を求め過ぎているとは思います。SNSでの拡散力は重要ですし、もちろん、僕もねらいたいです。でも、それだけに頼ってしまうとアイドル本来の魅力、ステージでのパフォーマンスやファンとの信頼関係が軽視されてしまう気もするんです。実際にメンバーも長続きせず、疲へいする運営をたくさん見てきました。SNSで話題を作るために過激なことをやったり、数字だけを追求するグループもたくさんありますね。もちろん、バズることで一時的に注目を集められます。でも、それがそのグループの本質的な実力につながるかというと疑問が残ります。アイドルを消耗品のように扱う運営も、ファンにもアイドル本人にも失礼だし、業界全体として健全ではないと考えています。
――へぎさん自身は運営側として、アイドル界とどのように向き合っていますか?
へなぎ 僕はやっぱりステージでのパフォーマンスを大事にしたいと思っています。アイドルは「ライブでどれだけ魅せられるか」が本質だと思うので、短期的な成功だけでなく、長期的にファンに愛されるグループを作りたいし、作ってきました。それこそ、キラフォレはそう胸を張れる1組です。