古巣となるアンジュルムも見守り「グループ愛に溢れている」ずっと変わらない空気感 | 勝田里奈 「アパレルブランド展開でコンセプト『強さをまとう女性』は古巣・アンジュルムにも通じる」INTERVIEW

古巣となるアンジュルムも見守り「グループ愛に溢れている」ずっと変わらない空気感

――ファッションへの関心は、アンジュルム時代に手がけていたメンバーのスタイリングでも表れていました。

勝田　ゼロからテーマを決めて服を作る現在と、アプローチは違いました。当時は公演のテーマが決まっていて、それに合わせてスタイリングを考えていたんです。メンバーの個性や私服の好みを考えながら「これが似合いそう」と衣装を選ぶのは楽しくて、一緒に活動しているからこそ分かる一面もあったので「新たな魅力を引き出したい」と思っていました。

卒業後、同期（でアンジュルムのOG）のたけ（竹内朱莉）の書道展「煌々舞踊」でメインビジュアルのスタイリングを担当する機会もあって、書道家のテーマがあったので、フォーマルではありながら、ちょっと崩した要素を取り入れるバランスを考えるのも楽しかったです。

――グループ卒業時のソロ曲は「とっておきのオシャレをして」で、YouTubeにはMVもアップされています。今なお、熱心に聴いていらっしゃるファンの方もいて。

勝田　昨年のバースデーイベントで久しぶりに歌って、込み上げてくるものがありました。リハーサルまでは普通に歌えていたんですけど、本番でとっさに、グループ在籍当時の記憶が一気に蘇ってきて。卒業（2019年9月）は5年半前なのに、グループに対する気持ちがそれほど大きかったんだと感じました。今のメンバーから過去をたどってくださる方も、私たちの活動をきっかけに「どんなグループにいた人なんだろう？」と興味を持ってくださる方もいて、そうした広がりがうれしいです。

――卒業後も、アンジュルムの公演を見る機会はありますか？

勝田　はい。ツアー最終日は欠かさず行きますし、そのたびに変化や進化を感じます。私がいた当時は、クールな女性像を押し出していたと思うんです。そこにかわいらしさがプラスされて、スマイレージ時代の曲が今のメンバーにすごくフィットしている印象もあります。でもみんな、グループ愛に溢れているし、仲のよさは相変わらずです。

――OGの集う客席では、現在のアンジュルムをどのように見守っているのでしょうか。

勝田　後輩のかむ（川村文乃）が卒業した公演では、関係者席が過去にあったアンジュルムのツアー「十人十色」当時のグループを再現できるような顔ぶれになって、おしゃべりが止まらず、うるさかったです（笑）。卒業後、定期的に会う子たちもいるんですけど、ハロー！プロジェクトの現場で揃う機会はなかなかないので、同窓会のようで懐かしく「グループの絆っていいな」と思いました。

――在籍するメンバーで、2025年春ツアーをもっての卒業を発表しているリーダーの上國料萌衣さん、メンバーの伊勢鈴蘭さん、橋迫鈴さんは、グループでの活動を共にしていましたね。

勝田　れいら（伊勢）も鈴ちゃんも末っ子だったのに、すっかりお姉さんになっていて、成長の過程を見られるのは楽しいです。かみちゃん（上國料）は妹キャラで、私がいた当時はまだ後輩の感じだったのに、グループを引っ張る立場になっていて。でも、グループ愛の強さは変わらずです。昔から、グループについて語ると涙ぐむほどに愛情が深い子で、むしろもっと愛が強くなっているし、パフォーマンスの強さも増していて、すごいなと思っています。だからこそ「本当に卒業するの？」という気持ちもあるし、かみちゃんが次の道へ進むと考えると、不思議な感覚です。

――古巣のグループも温かく見守りながら、ファッションディレクターとしての活動を中心に、この先描く将来像も伺えればと思います。

勝田　とにかく「やりたいことは全部やろう」と思っているので、何でも挑戦していきたいです。アパレルブランドとしては、海外進出も思い描いています。でも、アパレルに限らず、雑貨や食器を扱うライフスタイルブランドとしての展開も、理想にはあるんです。服に限らず、PoFFの世界観が生活に溶けこんでいくのは面白そうだし、いずれは「PoFF ルーム」のような路面店で「ここに行けば、生活に必要なモノが何でも揃う」といったブランドに、成長させていきたいです。

INTERVIEWER：SYUHEI KANEKO